画像サイズ: 580×326 (86kB) | 北イタリアでは、2回以上行ったところがいくつかある。それはヴェローナ、パードヴァと、このヴェネツィアである。しかも、ヴェネツィアは3回目である。
よほど相性がいいのかも知れぬ。しかも、この街は他のイタリアの都市に比べ、非常に多くの魅力に富んでいる。
こんな面白いところが、ほかにあるだろうか。一番素晴らしかったのは、港を後にするクルーズ船の、いと高き甲板の上から、箱庭のようなヴェネツィアの風景を眺めたときで、眼下には、ほかの港ではチョット見られない光景が展開していた。
陸地に立つ、色も形も大きさも違う、無数の建物、橋や森、公園など。教会の塔などが、いくら見ていても飽きないほど、次々に展開していく。
運河を行きかう大小の船、その交通はとめどなく続く。
また、今回のヴェネツィア歩きでは、ツアはもちろん、個人旅行でも通らないような、飾らない庶民の暮らしぶりを直接目の当たりにできた。これは、ガイドが地元の人間で、ヴェネツィアのあらゆる小路、路地に精通していたからこそできた街歩きだったと思う。
まるで、そこがナポリの下町ででもあるかのように、ビルとビルの間にたくさんの洗濯物が、まるで横断幕のように吊るされていたり、黒い生ごみの袋が、家ごとに外壁に括りつけてあったり。
『パラッツォ・ドゥカーレ』★の夜間見学では、ふりの旅行者ではなかなか見られない堂内のあれこれを、椅子に掛けたままゆっくり鑑賞したり、普段は外側から眺めることの多い、パラッツォ内の牢獄をあたかも囚人か看守ででもあるかのように、その狭い石の通路を、実際に歩いてみたり房内を恐る恐る覗いてみたり、
その挙句には、例の『ため息橋』に立って、当時の囚人の心に思いを馳せながら、前方に小さく見える世界各国からの大勢の観光客を、反対側から眺めるという、ゼイタクで、チョット得難い体験まですることが出来た。
以前は、もちろん、あっしも、外側からこの橋を写した覚えがある。ところで、
あっしらは恵まれていると思う。前に来た時は、カナル・グランデ(運河)で、予想外の大ボート大会(時期が5月だったので、いわゆるヴォガロンガだったのであろう)にぶつかり、世界中から参加した男女の漕ぎ手に見とれたり、これも世界の津々浦々からやって来た、老若男女の観客を観察してみたり。立って漕ぐ、ヴェネツィア独自の漕ぎ方に感心したり、ヴェネシアングラスで世界的に有名なムラノ島では、スリの洗礼を受け、帰りの船賃が乏しくなり、『あわや俊寛!』というところまで、追い詰められたことを含め、ヴェネツィアでは、
とにかく、色々な面で、目いっぱい楽しむことが出来た。 ★ヴェネツィア共和国の総督(イタリア語ではドージェ)の住まいだった由。こんなに立派な宮殿に住んでいては、毎日の掃除もさぞかし大変だったろう。(^^♪
(つづく)
写真は、マーチャンを置いて、アッカデミーア美術館に単身赴任(^^♪し、館内を見学した時のもの。絵はヴェネツィア派の、ベッリーニの「ピエタ」。 |