印籠と云えばたしか、前にもここでやったことがあるぞと、思いつつ観覧をした。歴博の館長は良く変わるので、現在の館長はたぶん、前回の展示をご存じないのかも知れない。
こういう、日本的で、贅沢品の装身具の展示は、たしか、正月にやったはずだ。和服を着ることの多い時期でもあるし、日本的な感じを強調するにも、正月が一番だと、あっしも思う。
かと言って、べつに時期が悪いと云っているわけではない。人それぞれの考えもあろう。
こういう展示は、毎年やる和宮様のひな人形の展示と同じ、第3展示室と云うところでやる。ここはスペースとしては、決して大きいとは云えないが、品物がだいたい細々したものなので、ここで十分なのだろう。
印籠と云えばひとはすぐ、水戸黄門の葵の紋章の入ったものを連想すると思う。しかし、テレビではうんざりするほど、毎回見せられるが、黄門さまの印籠など、下々の者など、滅多に見たり、携帯など、とても出来るようなものではなく、特別の品だ。
もちろん印籠は、最盛期には武士、町民なぞも競って腰に下げたはずなので、根付とともに、じつに多種多様のものが作られた。ところで、
この展示の会期は8月30日までで、もうあれから一か月近くもたつので、ボケ老人のあっしとしては、次第に記憶も薄れがちだが、少しくその感想をつづってみたい。(つづく)
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