誘われておしゃべりと食事に出かけた。 区の大きな公園に行き、緑、紅葉の森林、山々を見ながらの会話は楽しかった。 それにもまして、うれしく、楽しいことがあったのだ。
その中の細い道を歩いていたとき、保母に連れられた7,8人の保育園児らしい 子どもたちが前からやってきた。 「ごめんなさい。端っこを歩いて」など子らに言いながらあいさつをしてくれた。 「かまいませんよ。どうぞ」と答えながら、 「おはようございます」と子らに手を振ったり、顔を近づけ手を差し出した。手を 出し広げてくれた子へ、手を合わせて、 「ありがとう」など言ったりした。
すぐまた、もう一組がやってきたが同じことをした。保母さんも喜んでくれ、 「ありがとうございました」と手を振りながら、うしろを向きながら歩いて行かれ た。そんなことで、こどもたちも後ろ向きになり、手を振ったり、にこにこと顔を いつまでも見てくれていた。
それから展望台の近くに座っていたところ、80はとうに越されているかと思われる 女性が男性と階段を上っていくのが見えた。男性に守られてゆっくりゆっくりだった が、驚いてしまった。 「何歳になるのかしら。男性は息子さんのような感じだけど、70は過ぎているで しょうね」など友人に言ってしまった。
食事に行くことにして、花畑を通り過ぎようとしたベンチにお二人は座っていた。 前まで行くと、女性が両手を広げ振ってにこことしてくださった。思わず、 「さっき階段を上っていくのを拝見していました。お元気でびっくりしました。色が 白くておきれいなお顔をなさっていますね」など言ってしまった。 女性は、 「あなたのほうがきれい。すてき」とかなんとかいろいろ言ってくださりながら、 手を動かしてくれていた。 すっかり童心に返っていたような姿だった。
「もう102歳なんです。あと3日で103歳になります」と男性は言った。 「えっ、そうなんですか。そのようには見えません。いつまでもお大事に」 などなどしばらく会話したが、歳のことばかりだったような気がする。
これだけでも驚きであったが、その1時間くらい前に、2、3歳の保育園児との 出会いがあったことに何倍もの驚きと、感激、感動があったのだ。
自分の年齢と考えあわせ、この102歳の方のようにいかなくとも、今しばらく 健康で暮らしたい、暮らせることを願った。
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