市内で、恒例の新春美術展が開かれているので、ちょっと覗いてみた。出品者も多いのでいつも、ツーフロアをつかう。さいしょ、
絵画から見ようと思ったのだが、フロアを間違えたらしく、七宝の並んでいる部屋へ迷い込んでしまった。いずれも力作で申し分ないのだが、特にあっしの目を惹いたのは、鶴をあしらった松本さんというかたの55x64センチの「白寿に」という作品であった。もし、この方がご自分の白寿の記念に製作されたとすれば、これは美術家の鑑ではないか。昨年某所での個展で、傘寿記念というのを見せてもらったが、作品に流れる溢れるような若々しさとヴァイタリティ―には、ただただ圧倒された。
こんどは、その上を行く九十九歳の製作である。あっしらも、見習ってガンバラナクッチャと思った。
他の作品では、あっしの日ごろ尊敬するМさんは、いつもは少し小さいキャンバスに描いていたが、ことしは百号を使っていたので非常に見ごたえがあった。絵のテーマも、紋外漢のあっしにはちょっと理解が難しいが、観るものに強く訴えかけて来るものを感じた。また、
あっしが昨年7月に市内で催したミニイベントを見てくれた金子さんは、イタリアはヴェネツィアの運河を描いていたが、とてもしっかりしたタッチで、あっしらも訪れた昨年の旅を改めて思い出させてくれた。それから、兼坂さんの絵は、いつも、ご自分の住まいのある、印旛沼の自宅、その室内という、決まったテーマで、これはまた、これでいいのだと思った。
変わったものでは、金原というひとの「昼下がり アメヤ横丁」というのがあり、あんな俗っぽいところでも、こうして『美術』になるのかと、驚かされた。また、
いつも感心させられるのは、具志堅さんというペン画の得意な方で、ことしは「金閣寺」というのが出展されていたが、誰しも思わず絵を覗きこんでしまうような、精密なタッチで描かれいて、思わず唸ってしまった。また、日本画の「吉高の大桜」は、印西市吉高にあるサクラの大木で、樹高10.6メートル、樹齢300年以上と云われる名木で、開花時には、遠近から訪れる人も数多いが、写真家も大勢来る。とにかく、大樹なので、その全貌をカメラに収めるのが普通だ。しかし、作者の石井さんは
この大木の根元だけしか描かない。これはスゴイと思った。
まだ、描きたいことは山ほどあるが、この書き込みも、だいぶ長くなったので、冨田クラウジェーヤさんのことだけ書いて、おわりにする。この人はたしか、以前に、当地の社会福祉協議会に所属していて、敬老の日などに、他の人に交じってお茶出しなどの奉仕で、かいがいしく働いていたのを覚えている。
この人の作品だが、いつもは割と小ぶりなキャンバスの絵を出展していたと思うが、今年は絵も大きく、タッチも力強く、たしかに訴えるもの、語り掛けて来るものがあった。
なお、この美術展。今回で34回にもなるという。 (終わり)
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