地元のことで、宣伝めいて聞こえるかもしれないが、昨年の今頃、歴博で「大ニセモノ博覧会」なる展示があった。あっしは,生来ミーハーなので、そうと聞いちゃあ行かないわけにはいかない。早速見に行ったことはもちろんである。ここで、偽物の悪役ぶりだけでなく、その有効利用までも学んだ。
およそ、にせものというもの、数ある中に、この展示では、人魚、それに河童があった。ところで、
文芸評論家に、中島河太郎という方があるが、この河太郎というのも河童のことだ。また、そのものズバリ、妹尾河童という名の人もある。このように、河童はむかしから、大人、子どもを問はず、みんなの人気者で、わが国が、世界に誇り得る有名キャラでもある。
この『河童』、河太郎と云うだけあって、川と関係が深い。ところが、
これが「椋鳥」にもあったのだ。ただ、わが国のと大きく違うところは、あちらのかっぱは、川でなく、海に住んでいるらしいのだ。
早く言えば海坊主ということになるが、頭に皿があるところは、こちらのものとそっくりだ。また、肉食であるらしく、海へ引き込んで食ってしまうというのはチョットいただけない。
人魚というものも、当時日本でもかなり普及していたらしく、清心丹という薬の広告で、すでにお馴染みだったらしい。ドイツではベルリンの皇后館と云うところでこの人魚を展示したことが書いてある。これは、もちろん作り物で、しばらく観覧者の人気を集めていたが、エックス線の登場で、化けの皮がはがれたようだ。
試みにレントゲン線を当ててみたら、江戸時代の川柳ではないが、中は空洞で「五月の鯉の吹き流し」同然だったという。
たしか、歴博の展示にも、作り物の人魚は見かけたような気がする。
清心丹とその人魚広告については以下のサイトを参照のこと。
↓ ↓ http://www.seishintan.co.jp/column005.html (つづく)
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