中村七之助と深津絵里の共演。
え〜!深津絵里が遊女に・・・?
どんな風に演じるのか?と興味が沸いた。
ところが思っていたのとは違い、現代と昔の時代の違いの中に絡み合う 男と女の世界と女同士の義理の物語だった!
売春婦と働くハルは自業自得に駆られて橋の上に立つ。 川の名は「蜆川」 昔遊女の涙で溢れた言われていた川の名前だ。
雨がシトシト振り出した・・・奥から遊女が傘をさし歩いてきた。 美しい! 七之助だ・・・ 益々に女らしさを感じ色気がにじみ出ている。遊女の名は小春。
ハルと小春。 二人とも春を売っている女同士。
「心中天網島」は近松門左衛門の心中ものの一つの物語。
小春は紙屋を営む治兵衛の女房おさんから 「夫に死んでほしくない」と手紙をもらい、自分だけが死ねば万事治まる! 女同士の約束!と、覚悟をしていた。 それを知ったおさんは治兵衛に、手紙を出した事を打ち明け、 自分の着物や貯めてあったお金を渡し、小春を身請けするように頼む。
そこにおさんの父親が来て無理やりに離縁にする。 行き場の無くなった治兵衛は、小春と無理心中する。
売春婦ハルは夫が借金を抱え、ハルを残して川から身を投げて死んだ。 ハルは借金を払うために、身体でお金を稼いで払っている。
昔も今も男女の恋の世界は変わらないが、 今の時代はすぐに相手を殺してしまう・・・なんとも遣る瀬無い・・・
近松の描く古い古い恋は、今の恋も通じるものがあるのかなぁ〜
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