こんどはナポリはメッツォカンノーネ通りにある、サン・ジョヴァンニ・マッジョーレ寺院の(ナポリで最も古い寺院のひとつに分類される)、起源が16世紀に遡る、貴重な宗教画に、工事人の手元がほんのチョビット狂ったばかりに、と、とんでもない大穴を開けてしまったというニュースが飛び込んできた。その穴も、端っこの方ならまだよかったが、生憎とど真ん中だった。☆
そのフレスコ画は、この寺院の礼拝堂のひとつに描かれており、「玉座の聖母子、ペテロと寄進者」と呼ばれ、ギリシャ人の聖母に奉げられている。ペテロは天国の大きな鍵を持っているので、すぐそれと分かる。
なぜ、ギリシャ人の聖母かというと、ナポリには相当数のギリシャ人が住んでおり、そうした人々の礼拝の便を図ったものと見える。
関係者は「何と云っていいか言葉もすぐには出てこない。大変な価値のある作品が、損傷を蒙って仕舞って。従来からこのフレスコを目当てに、外國からも大勢来ていたのに」と肩を落としている。
この場所は、地元の大学の卒業生が、昔から、卒業の日に、集まる習慣があり、卒業生や親戚に大きな衝撃を与えているという。
☆ドリルの刃が聖母子やペテロ自身に、かからなくて、まだ良かったかも知れない。もし、着物の端にでも、穴をあけたら、その穴の大きさによらず、工事人は間違いなく地獄落ちだろう。
http://corrieredelmezzogiorno.corriere.it/napoli/cronaca/16_aprile_13/danneggiato-affresco-1500-chiesa-san-giovanni-maggiore-664338b0-0161-11e6-b107-07c65e981319.shtml
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