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[No.7675] GALAXY ZOO 投稿者:DeBugman  投稿日:2016/07/04(Mon) 15:07
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GALAXY ZOOは、SDSSなどの天体望遠鏡が観測した多数の銀河の形態分類のため、専門的知識・技術を持たない市民による科学研究、すなわちシチズン・サイエンス(citizen science、市民科学)を用いたプロジェクトであり、一般市民のボランティアがウェブサイトで作業する。

シチズン・サイエンスは新語と思っていたが、辞書をみると 100年ほど前に鳥類学で使われたのが初出とある。一般市民が渡り鳥の観察などを支援したものと思う。ただ、当時と近年では情報通信技術の環境に大きな違いがある。特にインターネットの発展によって、大量データの高速送受が可能になり、適用できる分野が広がり、また規模も大になっている。

前出プロジェクトが2007年7月に始まると、年末までに15万人のボランティアが100万件の銀河について累積5千万件の分類をおこなった。またグリーン・ピー銀河など2件の新発見があり、これらの成果に基づく48件の学術論文が出版されている。

分類作業そのものは簡単で中学生でもできそうである。ただし言葉が壁になろう。ウェブサイトは英語を含み14言語の版があるのに日本語版がない。
私自身は2008年来、ボランティアとして5千件余の銀河を分類している。その作業メモを残しているので、(ごく一部になるが)添付画像で紹介したい。

銀河のデータは次の望遠鏡が観測したものである。
SDSS主2.5m望遠鏡:アパッチ・ポイント天文台、米国
Blanco 4m:CTIO天文台、チリ
ハッブル宇宙望遠鏡:NASAほか

参考
GALAXY ZOO(英語版)
https://www.galaxyzoo.org/

SDSS(Sloan Digital Sky Survey)
http://skyserver.sdss.org/edr/jp/sdss/


[No.7676] GALAXY ZOO (1) 投稿者:DeBugman  投稿日:2016/07/04(Mon) 15:13
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GALAXY ZOO (1)
画像サイズ: 424×424 (67kB)
添付画像はBlanco 4mの観測。典型的な渦巻銀河。
銀河を発した光が地球に届くまでの時間、すなわち光行距離は3億2千万光年。
ちなみにアンドロメダ銀河が渦巻銀河。太陽系が属する天の川銀河は棒渦巻銀河と考えられている。


[No.7677] GALAXY ZOO (2) 投稿者:DeBugman  投稿日:2016/07/04(Mon) 15:19
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GALAXY ZOO (2)
画像サイズ: 400×400 (25kB)
添付画像はSDSSの観測。
13億光年の彼方で二つの渦巻銀河が衝突し、融合を始めている。宇宙には銀河が2千億あるといわれ、衝突はまれなことではないようである。

現在、天の川銀河とアンドロメダ銀河は約200万光年離れているが、秒速約300kmで接近しており、約40億年後に衝突・融合すると予想されている。人類はすでに消滅しているであろう。で、心配無用である。


[No.7703] Re: GALAXY ZOO (2) 投稿者:GRUE  投稿日:2016/08/02(Tue) 16:50
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> 現在、天の川銀河とアンドロメダ銀河は約200万光年離れているが、秒速約300kmで接近しており、約40億年後に衝突・融合すると予想されている。人類はすでに消滅しているであろう。で、心配無用である。

宇宙規模という言葉があるが、このような壮大な話がいとも簡単に
口に出るところが、天文の世界の大きさでありロマンですね。
人間が小さくみえるどころか、逆に気持ちが大きくなり、それが
嬉しい。


[No.7678] GALAXY ZOO (3) 投稿者:DeBugman  投稿日:2016/07/04(Mon) 15:22
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GALAXY ZOO (3)
画像サイズ: 424×424 (24kB)
添付画像はSDSSの観測。
偶然、人工衛星が銀河を射抜いた。銀河の光は微弱なので長時間の露光が必要であり、見かけの運動が速い流星や人工衛星は線状になる。

SDSSの主望遠鏡の視野は2.5°、受光センサーは6列5行計30個のCCDで構成、各列5個のCCDに5色のフィルター(CCD1個1色)、露光時間は約5分。このセンサーは日本製とのこと。


[No.7679] GALAXY ZOO (4) 投稿者:DeBugman  投稿日:2016/07/04(Mon) 15:25
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GALAXY ZOO (4)
画像サイズ: 424×424 (40kB)
ハッブル宇宙望遠鏡の観測。
短い腕と大きなバルジを持つ異形の渦巻銀河である。
光行距離は46億光年。つまり光がこの銀河を出発したのは、天の川銀河の一角に地球を含む太陽系が誕生したころのことで、46億年を経て地球に着いてみれば人類と称する生物が待っていたというわけだ。

初めは渦巻・楕円銀河の何れか判別できなかったのだが、”AEGIS”のサイトで類似の銀河を見つけた。説明によれば最近二つの銀河が衝突。大きな銀河が小さな銀河を“共食い”して、呑み込んでしまったところ、というのである。

http://aegis.ucolick.org/gallery_images/minor_merger_remnant.html


[No.7704] Re: GALAXY ZOO (4) 投稿者:GRUE  投稿日:2016/08/02(Tue) 16:53
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> 短い腕と大きなバルジを持つ異形の渦巻銀河である。
> 光行距離は46億光年。つまり光がこの銀河を出発したのは、天の川銀河の一角に地球を含む太陽系が誕生したころのことで、46億年を経て地球に着いてみれば人類と称する生物が待っていたというわけだ。

46億光年、確かに太陽系の年齢。

> 初めは渦巻・楕円銀河の何れか判別できなかったのだが、”AEGIS”のサイトで類似の銀河を見つけた。説明によれば最近二つの銀河が衝突。大きな銀河が小さな銀河を“共食い”して、呑み込んでしまったところ、というのである。

呑み込んでしまったというのは何で分かるのでしょう。
内部に見える茶色の曲線は何でしょうか?


[No.7680] GALAXY ZOO (5) 投稿者:DeBugman  投稿日:2016/07/04(Mon) 15:30
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GALAXY ZOO (5)
画像サイズ: 424×424 (23kB)
ハッブル宇宙望遠鏡の観測。
こういうものが宇宙に存在するはずがないとは思ったが、もしかして世紀の大発見かとプロジェクトのフォーラムに投稿してみると、「宇宙の染色体かもしれない」という冗句で始まるレスがきた。実のところは強い光によって望遠鏡内で発生したウインドウ・ゴーストと呼ばれる像とのこと。
大騒ぎになることを期待していたのに残念であった・・・


[No.7705] Re: GALAXY ZOO (5) 投稿者:GRUE  投稿日:2016/08/02(Tue) 16:54
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> こういうものが宇宙に存在するはずがないとは思ったが、もしかして世紀の大発見かとプロジェクトのフォーラムに投稿してみると、「宇宙の染色体かもしれない」という冗句で始まるレスがきた。実のところは強い光によって望遠鏡内で発生したウインドウ・ゴーストと呼ばれる像とのこと。
> 大騒ぎになることを期待していたのに残念であった・・・

大発見であればよかったのに ですね。

そういうひょっとしたらというのもプロジェクト参加の醍醐味でしょうか。


[No.7681] GALAXY ZOO (6) 投稿者:DeBugman  投稿日:2016/07/04(Mon) 15:34
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GALAXY ZOO (6)
画像サイズ: 424×424 (39kB)
ハッブル宇宙望遠鏡の観測。
渦巻銀河・楕円銀河のいずれか判らなかったのだが、ソンブレロ銀河に似ているので、ウイキペディアを見ると渦巻銀河とのこと。光行距離17億光年の天体。

ハッブル宇宙望遠鏡が観た5千万光年彼方のソンブレロ銀河
http://en.wikipedia.org/wiki/File:M104_ngc4594_sombrero_galaxy_hi-res.jpg

ゴージャスな画像である。露光時間が10.2時間というから恐れ入る。この銀河には数千億の恒星があるのだろう。中央に巨大なブラックホールがあるようだが、光も呑み込むというのだから目を凝らしても見えない(笑)。


[No.7706] Re: GALAXY ZOO (6) 投稿者:GRUE  投稿日:2016/08/02(Tue) 17:12
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> ハッブル宇宙望遠鏡が観た5千万光年彼方のソンブレロ銀河
> http://en.wikipedia.org/wiki/File:M104_ngc4594_sombrero_galaxy_hi-res.jpg
>
> ゴージャスな画像である。露光時間が10.2時間というから恐れ入る。この銀河には数千億の恒星があるのだろう。中央に巨大なブラックホールがあるようだが、光も呑み込むというのだから目を凝らしても見えない(笑)。

これは綺麗な銀河ですね。中央の明るい部分とその中心の真っ黒に見える
ブラックホールが見つかったのは最近のことですね。ホールの質量は太陽の
10億倍と。

しかも、これは宇宙が膨張していることを証明した最初の天体なんですね。


[No.7702] Re: GALAXY ZOO 投稿者:GRUE  投稿日:2016/08/02(Tue) 16:46
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DeBugmanさん、みなさん、こんにちは、

とんでもなく遅い感想になってしまいました。

> GALAXY ZOOは、SDSSなどの天体望遠鏡が観測した多数の銀河の形態分類のため、専門的知識・技術を持たない市民による科学研究、すなわちシチズン・サイエンス(citizen science、市民科学)を用いたプロジェクトであり、一般市民のボランティアがウェブサイトで作業する。

これは知りませんでした。一般市民でも参加出来るのですね。
アマチェア天文家が一杯いるから成り立つのでしょうね。
それでも、分析、解析は易しくはないでしょう。

> シチズン・サイエンスは新語と思っていたが、辞書をみると 100年ほど前に鳥類学で使われたのが初出とある。一般市民が渡り鳥の観察などを支援したものと思う。ただ、当時と近年では情報通信技術の環境に大きな違いがある。特にインターネットの発展によって、大量データの高速送受が可能になり、適用できる分野が広がり、また規模も大になっている。

それはそうでしょうね。インターネット及び関連技術の発展は目が
回るほどですから。

> 前出プロジェクトが2007年7月に始まると、年末までに15万人のボランティアが100万件の銀河について累積5千万件の分類をおこなった。またグリーン・ピー銀河など2件の新発見があり、これらの成果に基づく48件の学術論文が出版されている。

半年で15万人とはすごい。サイエンス分野でそれほどの参加がある分野は
そう多くはないでしょう。

> 分類作業そのものは簡単で中学生でもできそうである。ただし言葉が壁になろう。ウェブサイトは英語を含み14言語の版があるのに日本語版がない。

で、日本語版つくりに参加されたんですね。

> 私自身は2008年来、ボランティアとして5千件余の銀河を分類している。その作業メモを残しているので、(ごく一部になるが)添付画像で紹介したい。

5千件ですか、すごい。ここに出ているのはほんの一部ですね。

> 銀河のデータは次の望遠鏡が観測したものである。
> SDSS主2.5m望遠鏡:アパッチ・ポイント天文台、米国
> Blanco 4m:CTIO天文台、チリ
> ハッブル宇宙望遠鏡:NASAほか
>
> 参考
> GALAXY ZOO(英語版)
> https://www.galaxyzoo.org/
>
> SDSS(Sloan Digital Sky Survey)
> http://skyserver.sdss.org/edr/jp/sdss/