タイトルがばかに大げさでビックリするかも知れませんが、ま、ちょっとした紋次郎流の感想文ですので、そのつもりで読んでいただければ幸いです。
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あっしは昔から民話のようなものに多少関心があって、ときどきこうした関係のものを読んだりするのですが、海外へ行ったりすると、その地域の民話、伝説に興味が湧きます。ただ、旅行中はなにかと忙しく、のんびりと調べたりすることはできません。
きのう、書庫から出してきた本を読んでいて面白いことを発見しました。それは嘘をつくと、途端に鼻がぐうっと伸びるので有名なピノッキオですが、これはなにもイタリアのピノッキオだけの専売特許(^^♪ではなかったのですね。
あの話があんまり有名になった紋ですから、世界中のひとがみんな、そう思っているのです。ところが、鼻の伸びる話はドイツにもあったのです。イタリアの話は教訓的ですが、どちらかというと、ドイツの話の方が、あっしには面白かったのです。
リンゴを食べるとだれでも鼻が伸び、ナシを食べれば、それが元へ戻るのです。大して教養のありそうにない田舎紋の兵隊が、悪知恵の塊のような王女と、丁々発止と渡りあい、知恵比べで勝利を納めます。これが短いながらも、ドキドキワクワクの要素もチャンと備えているから、たいしたものです。
これを観ずるに、やはりこのあたり、つまりザンクト・ウルリッヒのことですが、ここにも、鼻の伸びる民話があったのかも知れない。
オーストリア通の津田さんの本に、オルティセイ(ザンクト・ウルリッヒ)では、むかし木彫りのピノッキオ人形を作っていたが、最近ではもう、止めたらしいというくだりがありました。同書の『あとがき』を読むと、本の内容は昭和41年ころの見聞らしいので、もうそれから50年も経ちます。
もともと「ピノッキオ」というのは、コッローディの創作であって、民話ではないからです。むしろ、本家はドイツ、オーストリアあたりなのかも知れませんね。きょうちょっとググっていたら、ドロミティーのお祭りの写真があり、その一つに、ピノッキオのように鼻の高い仮面を被っているのがありました。もしかしたら、こうした仮面から、同上の民話が生まれ、またコッローディの「ピノッキオ」が、誕生したのではないでしょうか。あっしは、最近、そんな風に思うのですが。
オーストリアと云えば、30年近く、オーストリアファンを、運んでくれた同航空が、去る9月4日のウィーン行き(OS52)便をもって、日本を撤退したそうです。あっしらもこのヒコーキには2,3度お世話になったので、思い出は尽きません。
(つづく)
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