画像サイズ: 483×364 (50kB) | 我孫子よいとこ
我孫子市に国際交流協会(AIRA)という組織がある。外国からの留学生に日本語を教えたり、日本人用の外国語コースを運営したりしている。私は現在そこでフランス語コースをとっている。また、数年前はスピーチコンテストに出場して、英語で台湾の話をして特別賞をもらったものだ。
先日そこの主催するドイツ文化を紹介する講演会があった。講師はドイツ語コースの講師K氏である。あまりうまくない日本語であったが、一生懸命に取り組む姿に好感が持てた。
私はドイツのことをあまり知らない。地方分権制で、結構方言がきついという話が面白かった。音楽のバッハやベートーベンはこの国の巨人であり、文芸のゲーテやグリム兄弟、さらにはトーマス・マン、カール・マルクス等の資料がついていた。
そこで質問が出た。(1)ドイツでは日本はどう意識されているか?(2)あなたはなぜ日本に来ることになったのか?
(1) について、ドイツでは日本の存在感は薄い。むしろ中国のほうに関心が強いという。私はむべなるかなと思った。日本に世界の文化や思想面に大きな影響を与えた人は見当たらない。現在経済も振るわない。一方中国の成長は目を見張るものがある。メルケル首相は何回北京詣でをしたことか。
先の大戦について、ドイツは忘れよう忘れようとしているように思われる。アウシュビッツのホロコーストは人類の大汚点である。また、ドレスデンが戦争末期に英軍と米軍に手ひどい空襲を受けた。失われた人命は10万人に上るといわれている。聖母教会が壊滅したが、戦後奇跡の復興を果たした話は有名である。しかし、世界遺産という話はなかったようだ。広島との対比をしてしまう。そして人々の間では、ドイツは戦後補償をしっかりしたが、日本は未だに近隣諸国ともめているという話が話題になるそうである。
フランスについて言うと、モネやゴッホなど印象派の画家たちは日本の浮世絵に一目置いた。いつぞやは法隆寺の百済観音がパリに招かれた。私にはドイツよりずっと親近感がわく。
もっとも、K氏は(2)の質問に、我孫子生まれの現在の奥さんに、ここまで連れてこられましたという。この話は面白い。実は私の英語の先生アレックスも大和撫子に我孫子まで連れてこられた。さらに言うと、フランス語の講師も、ご主人は日本人である。
国際交流協会も活発に活動している。我孫子よいとこである。
(2016.11.5) |