しばらくぶりの買い物に行った。バスに乗ると通路側に座っていた年配の女性が窓際に移った。空き席が多かったが、そんなことで隣に座った。 おしゃれなズボン、ベスト、帽子と同じ布地だったので、思わず、 「すてきですね。おしゃれだわ」と言った。 「姉が作ってくれたんです。88になりますが、茶道もやっていて教えています」などなどから始まり、7分位のバス中で喋りどうしだった。私は聞き役になったのである。友人のところから帰るとかで、ここには住んでいないと言っていた。それでも、 「おきれいで上品でいらっしゃるわ」と言ってくださったことにうれしさを覚えた。
スーパーへ着いたところで、 「あやちゃん、久しぶり。Sちゃん元気で、デイサービスの仕事をしているわ。Hさんは食事サービスへ通っていて、二人とも元気よ」と言ってくださった。このSさん、Hさんは二十年も前になるか、一緒に活動していたのだ。 この方には以前にもたまに会ったのだが、名前がわからない。どこでお会いしたのかも定かでない。 聞くのもおかしいと思い、そのままにしている。S、Hさんの住む団地での出会いではないかと思っているのだ。今度会ったら、Sさんの部屋番号を聞いてみようと思った。最後に言ってくれたのは、 「あやちゃん、ちっとも変わらないわね。きれいで若々しくシャキッとしていて」であった。
そのあと近くのバス停を通りすぎようとしたら、そこに小学生か、道路に座っていた。以前にもで会った子と思えた。障害を持つような感じの子だった。 「そこは道路で汚れているわ。ここへ座れば少しいいかもしれないわ」とバス停の下の丸くなった台を指さした。道路と同じような石で造られているが道路よりはいいだろうと思うのだ。 すぐに立ち上がり、 「ありがとう」みたいなことを言って座ってくれた。以前にも同じことがあったことを思い出したが、 「よかったわ。さようなら」と終りにした。次も同じことを繰り返すだろうと思うが、素直さがうれしかった。
その後のこと、公園の坂道を降りていたら、自転車のカギと思われるものが落ちていた。上には自転車が止まっていたので、戻って見たら三台の自転車があり、中学生くらいか男子達が何人かいた。 「これ、自転車のカギかしら、そこに落ちていたの」とカギを見せながら声をかけた。みんな私のほうへ寄ってきたが先に来た男子が、 「ぼくのみたいだ」と言い、自転車の方を向いて、 「ぼくのです。ありがとう」と頭をさげたくれた。 「どういたしまして、よかったわ」と坂を降りかけたら、 「ありがとうございました」となんとも言えない声で言ってくれた。うれしかった。
そんないい出会いが四つも重なって、ルンルンな気持で家に入った。夫はまだ戻らない、食事の支度はまだいいかと、パソコンに打ち込んでしまった。 午前中もパソコンをやりっ放しだった。夫の資料作り、年度末のため二つの役職の中の資料を作成、チェックなどをやったのだ。そんな一日が終ろうとしている。
2017−03−30
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