病院へレントゲン・心電図・便・血液・尿の検査に行ったが、1年に1回行っているものだった。 帰ってくると、夫は整体へ出かけた。昼は何を食べるかとなったので、天ぷらうどんを作ることにしたが、寿司の話しが出て、寿司を食べに行こうとなった。 12時を過ぎていたが、混むのはいやだと遅くしたのだった。車で出たが、たまに行く寿司屋でなく、その手前にある寿司屋へ行くかとなった。比べると高い店だが,夫が払ってくれた。 店を出て駐車場へ回ろうとした夫が「人が倒れている」と言う。2人でそばへ行ったが、若い男女が 「倒れていたので、救急車を呼びました」と言う。 そのまま帰ってしまうわけにもと思い、私たちもそばにいた。細い体の背の高い、やさしい顔をしたおじいさまで、目を開いていたが黙りこんでいた。その大きな目の回りはかなりの太さで茶色になっていた。いつものことか、倒れたのでこうなったのかわからなかった。 頭の部分に日が当っていたので、私は頭の方へ回り、その頭が私の体で影が出来るように立った。 話しかけたら、 「歩いて○○病院へリハビリに出掛けるところだった。熱中症で倒れてしまった。」と言い、診察券やパスを出してくれた。夫は 「身体障害の4級・2級など書かれている」と言った。診察券は近くの病院のものだった。 「体を起こしたい」と言い、起きようとするので、背中を支えて起こしてあげたら、立ちあがるようにした。 「立つのは止めましょう。救急車を呼んだのですから来てからにしましょう」など言うと、そのままにしてくれた。私は背中を手で支えるようにしてあげた。
店から出てきた男性がいたが、男性が行こうとしていた病院の職員だそうで、電話したりしていた。病院へ電話して事情を話したのだろう。 「ご一緒に行かれるのですか」と言うと、 「事務の者ですし、救急車には?」など言い、店へ戻って行った。
若い男性が寿司屋で氷をもらってくると言ってくれ、店へ行ったが、店の男性が細かくした氷を持って来てくれたので、受け取り後ろ首にあてがってあげた。 「気持ちいい」と喜んで下さったが、救急車を呼んだのにこのようにしていいかどうかわからなかったので、軽く当てていた。
診察券入れをズボンのポケットに戻そうとしていたが入らなくて、ポケットの財布も飛び出しそうになっていた。 「診察券なくさないようになさってくださいね」と言うしかなかった。 「ありがとう、親切に」と何度か言ってくださり、診察券入れを手にしっかり握ったことを示してくださった。
13時10分に救急車が来た。 「とりあえず救急車に乗りましょう」と係り員。背中を支えていた私は、係員が足元に立ったので、一緒に運ぼうとして、そのまま体に手を回し、持とうとしたら、 「私たちがやります」だった。大失敗だった。当たり前のことなのに余計なことしてしまった。障害者などと関わりが多いのでそうなってしまったのだ。実際一緒に乗せたこともあるのだった。やってきた男性と2人で運んだ。 若い男女と少しの会話をして別れた。明るい感じのさわやかな方たちだった。
この時は夢中だったが、家に戻り、パソコンへ打込み終わったいま、考え込んでしまった。いつわが身に振りかかるかも知れないことだと。事故ではなく、自分自身の体のことで、道で倒れて、なんて考えると、たまらない思いがして、こうして打ちながらも頭を下げて、目を伏せて思い悩んでしまった。手もパソコンの上に止まってしまうほどだった。 その後どうなさったか、なにもなければいいがと、ただただ思ってしまった。私が検査に行った病院との関連がある病院で、私も行ったことがあるのだった。
せんだって、近所の道で倒れた男性のことで救急車を呼んだが、その時は会話もしてしまい、家族のことを聞いた覚えがある。 今回は若い男女のことで、そこへは気が回らなかったのかと思ったり、会話ができるとは思わなかったのかなども感じた。でも、このようになさってくれた方がいたことは感謝のほかはない。 「救急車をよんでくださったことよかったわ。お世話をありがとう」など声をかけたが、うれしそうにしてくださった。
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