画像サイズ: 472×373 (31kB) | > > 宮沢賢治の童話を読んでいて > > あんがい知らないこと。 > > ゴーシュが頼まれて、野ねずみのこどもの病気をなおしてやる。 > > そこで、野ねずみのこどもをセロの穴から中に入れる。
花巻の宮沢賢治記念館には 宮沢賢治のセロがあります。
このセロについて、こんな話があります。
宮沢賢治は花巻農学校の先生だったが 花巻高等女学校の藤原嘉藤治(かとうじ)という先生と仲が良かった。
藤原嘉藤治はセロが上手で 盛岡の演奏会でセロを弾いていた。
宮沢賢治は父親から金をもらって高価なセロを買った。 彼もセロを弾くのが好きだった。
貧しい藤原嘉藤治の買ったセロはあまり立派なセロではなかったので 賢治は自分のセロと交換してやった。 そのセロには穴があいていた。 そのセロの穴を見て、賢治はネズミの子をその穴から中に入れるということを思いついたのだろう。
戦時中に花巻も空襲を受け 嘉藤治の買った穴のあいたセロは焼けてしまったが 嘉藤治は賢治からもらったセロを大事に使って弾いていた。
嘉藤治が亡くなってから、この賢治のセロが宮沢賢治記念館に寄贈されたのだった。
私は、この話を聞いて、「情けは人のためならず」という言葉を思い出したのでした。 |