推理小説です。
推理小説の解説はむずかしい。 犯人のヒントなど書こうものなら、これから読む人に恨まれそう。
最近、まるこさんから西郷隆盛の本を送ってもらったのです。 来年の大河ドラマは西郷隆盛なのです。
西郷隆盛は島津斉彬のもとで活躍した。 島津斉彬は名君だった。藩の富国強兵に努め,洋学も積極的に受け入れた。(西郷など若い武士たちは斉彬を尊敬していた)
だが斉彬には異母弟がいた。その母親お由良はなんとかわが子久光を藩主にしようと工作をしたから 島津斉彬はなかなか藩主になれなかった経緯がある。
島津斉彬の母は正室、それに対して久光の母お由良は妾だった。 (正室は江戸に住んでいたため、鹿児島での妻役お由良がしていた) 島津斉彬の母が早くに亡くなってしまったため、彼のうしろだてがなく、お由良の暗躍でなかなか藩主になれなかった。 島津斉彬が藩主になると、弟久光は藩主になれないから。
江戸では、次期将軍をめぐって 一橋慶喜を推す一橋派と、紀州藩主徳川慶福(のちの家持)を推す南紀派が対立していた。 西郷は一橋派の斉彬の命で京都に上っていたとき、斉彬の突然の訃報を聞く。
西郷をめぐる歴史的な話は深入りすると話の方向がはずれるので、ここらでやめます。
さて、推理小説のほうですが 推理小説の作家は、久光の母お由良が島津斉彬の暗殺をしたということにして 話を進めています。
島津斉彬は暗殺されたのか、たんなる病死なのか、それは歴史家の調査するテーマですね。 (明治天皇の父親の孝明天皇も急死したのですが、会津の人たちは今でも孝明天皇は暗殺されたと思っているようです。孝明天皇が死んだので,会津には逆風が吹いてしまった)
しかし、こういう歴史の話題をうまく取り入れて、推理小説にするのは 巧みというか、なかなか感心します。
この作家は坂本龍馬の暗殺は誰が黒幕かということで 別の推理小説を書いています。
坂本龍馬暗殺も、誰が何の目的で行ったのか諸説があります。 公式には見廻組の今井信郎たちがしたことになっていますが....
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