画像サイズ: 510×382 (69kB) | 当時、習志野俘虜収容所にいたハンス・ミリエスは、捕虜だけで男声合唱団や、交響楽団を作り、しばしば同所で演奏会を催した。
ドイツの音楽学校を出た同氏は、第一次大戦で応召し、中国の青島(チンタオ)で日本軍の捕虜になった。その後上海交響楽団の指揮者兼コンマスをやったこともある。
ミリエスは習志野にいた間に、作曲も手掛けたが、その頃の資料は長らく所在不明になっていた。ところが、およそ80年後の平成13年、偶然子孫の家で、ミリエス作曲の楽譜が見つかった。
「閉じておくれ 僕の目を」と云う曲☆で、これは伊地知元子編曲で、鮫島由美子さんが、習志野文化ホールのステージで歌った。これをNHKが取り上げ、全国放送したことから、全国で感動の渦が巻き起こった。
写真。真ん中の台の上に立っているのがその、ハンス・ミリエスである。演奏者の服装はまちまちだが、中には水兵服を着ているものもある。ところで
当時、この収容所内には、ヴァイオリンやギターを作る工房まであったという。これも、驚くべきことの一つである。(つづく)
☆10月17日「モリシア」センターコートで行われた、ドイツ音楽の調べでは、プログラムによると「第九」やドイツ民謡「別れ」などとともに、ミリエスのこの曲も演奏された模様である。 |