画像サイズ: 300×169 (14kB) | 青い牙 KANCHAN
子供の頃「白い牙」という動物小説を読んだことがある。今回の題名はそれをもじったつもりで、実はこのところよく言われるコンピューターソフト「Bluetooth(青い歯)」のことを取り上げたかったのである。
Bluetoothは今ではどのPCにも、スマホにも、タブレットにもプレインストールされている。このソフトで、PC等に入れてある音楽等が、ワイアレスで専用のイヤホーンや、スピーカーに飛ばすことが出来るのである。
私のスマホには、コンピューター経由で取り込んだ音楽CDが100枚くらい入っている。NHKの名曲アルバムや、石原裕次郎とひばりの共演CD etc.である。それを私は、毎朝ワイアレスイヤホーンで聞きながら散歩している。また、私の友人の女性は、英会話教室に小型スピーカーをもって来る。そして自分のスマホに入れてある、懐かしい英語のジャズスタンダードをその再生装置に飛ばし、自らは迫力のある歌声を披露してくれる。まあ、時代は変わったものである。
もちろん私は、時には生の音楽が聴きたくなる。今年の正月の3日は、妻と渋谷のBunkamuraに東京フィルのニューイヤーコンサートを聴きに出かけた。
指揮者は尾高忠明で演目は、シュトラウスの春の声から始まったが、次のチャイコフスキーのピアノ協奏曲は素晴らしかった。ピアノ奏者は松田華音と言ったが、1996年生まれ19歳の可愛らしい娘さんである。6歳でモスクワに渡り、彼の地の音楽専門学校を主席で卒業したという。私はそういう情報には全く疎いのであるが、若い人が海外に出て行って活躍することにはすぐに感激してしまう。
最後はラヴェルのボレロであった。この曲を生のオーケストラで聞くのは初めてである。だんだん気持ちが高揚してきて、最後感激のフィナーレとなるのである。
私はいい人生を経験してきたと思っている。戦後の貧しい時代を経験しているが、高校生時代には、西欧文明の華であるクラッシク音楽に目覚めさせられた。LPレーコード鑑賞会なんかを田舎の桐生市の図書館ホールで胸躍らせて聴いた。
それが今ではポケットに入ったスマホをBluetoothで楽しみ、更には、妻と一流音楽家の生演奏を楽しんでいる。
さて、シニアの音楽鑑賞にはおちがある。私たちはBunkamuraホールを出てから、必要に迫られたのは用を足すことであった。新年の人出でにぎわう渋谷の街を、お上りさんよろしく彷徨ったものである。昔の恋文横丁あたりか?
「夕食は何にする?」「うなぎが食べたい」場所代が入って高い夕食を食べ、外国人が吃驚すると言う、駅前交差点を、腕を組んで無事に渡りきって新年が終わった。
--------------------- Bluetoothとは古代のデンマーク王の綽名だそうである。デンマークとノルウエイの和平のかけ橋の役を果たしたという。(2016.1.16) |