同じ水でも飲めない水があるように、同じ食品でも食品サンプルは、たしかに本物そっくりだが、飲んだり食べたりはできない。
そこで、食べられないクリの探索を始めることにした。四足なら机でもテーブルでも平気で、あっという間に胃の腑に納めちゃうという中国人でも、食えと云われれば遠慮するものに、
そっくり、しゃっくり、ビックリ、などがある。ざっくり、しっくり、じっくり、とっくり、ゆっくり、くっくり、ぎくり、ずんぐり(むっくり)、やりくり、ひょっくり、こっくり、泣きじゃくり、くりくり坊主などはまあ、可愛い方だが、ぼったくり、ひったくり、やらずぶったくり、それに、ぽっくり、などは、いかがなものか。
一世を風靡した爆笑王、エノケン映画に「どんぐり頓兵衛」「びっくり人生」「びっくりしゃっくり時代」「しゃっくり寛太」などがある。
小学校の思い出だが、担当教師に、ぱちくり先生という方がおられた。なぜ、こうしたあだ名がついたかというと、年中目をパチクリやるので、生徒がそんなあだ名を進呈したのだ。本名は生徒の呼ぶ八栗なぞではなく、Мというれっきとした名前があった。
ところで、あっしは何くりかといえば。多分しゃべくり、だと思う。この件についてはいつか機会をみつけて、一度誰かに聞いてみたい紋だ。 終わり
なお、終戦直後に「リーダーズ・ダイジェスト」と云う雑誌が発行され、極東支配人というのが、たしか殖栗文夫と云う人だった。名前が珍しいのでいまでも覚えている。
購読依頼書がDMで何度も送られて来た。文章は印刷され、文末のサインだけが筆記体だったことも印象的だった。
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