画像サイズ: 360×510 (66kB) | 世の中にシチリアを賛美する人も多いだろうが、このひとは変わっている。もともと西洋史学が専門で、慶応から南ドイツのフライブルク大学へ留学した。ここではドイツ近代史の研鑽に励んでいたそうである。
ところがである、あるひ彼女の耳元で悪魔のささやきが聞こえた。そのあとにゲーテの声で、やはりイタリア賛美のことばがつづいたのだ。
彼女は取るものもとりあえず、イタリアへ旅立った。そうして、ゲーテはドイツへ帰国したのだが、かのじょの方は、ついにイタリアからドイツに戻ることはなかった。
住まいは北イタリアだが、ついに「シチリア島の物語」なるシチリア賛美の本まで書いてしまった。
副題と云うか、タイトルの頭に「ゲーテが愛したイタリアの太陽」とある。ゲーテはシチリアばかりを愛したわけでもないが…。(*^_^*)
目次からキーワードを拾うと、『パレルモ』は『千年にわたるシチリアの都』であり、タオルミーナはシチリアのディズニーランド』だそうだし、ゲーテがスキップしたシラクーサを称賛し、最後に『シチリアなしのイタリアは考えられない』と極言する。
本書には美しいカラー写真がふんだんに収められ、歴史家の目から見た文章も非常に示唆に富んでいる。
ぜひ一読を、お勧めしたい。
* 寺尾佐樹子「ゲーテが愛したイタリアの太陽 シチリアの物語」 |