以前『グリム童話の世界展』のことを書きましたが(#271)、その後沢山のカラー画像の入って、ちょっとマニアックな本を見つけました。
本文も分かりやすく楽しいのですが、ここに添えられた絵が、じつに素晴らしい。
最初に『一枚絵』と云うことばが出てきて、その説明があります。これは、いわば、庶民の啓蒙の役割を担った、日本の瓦版のようなものだと、著者の野村ひろし(さんずいに玄)さんは云います。
内容はキリスト教のことや、世界の不思議、恐ろしい、あるいは珍しい出来事などが満載だったとか。
大きさは、新聞の片面くらいと云いますから、あっしの持っている文庫版だと絵が小さくなるのがチョット残念です。
もちろん、このグリム童話も取り上げられ、大いに子どもたちを喜ばせたようです。野村さんのおかげで、こうして、日本でもその片鱗が見られるのはむしろ有難いことなのでしょう。
この文庫には、グリム16話と、そのうつくしい一枚絵が収められています。原画はベルリンの国立図書館にあるようです。
この一枚絵が、のちにアメリカに渡って、現代の漫画を生み出したということですから、その価値はたいへんなものだと云えます。
また、ドイツ一枚絵は、ノイルピーンをはじめ多くの絵師を輩出したそうです。
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