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[No.737] 『詩集』への郷愁 投稿者:   投稿日:2011/12/23(Fri) 23:21
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 みなさん、こんばんは。あのまだ、髪の毛も、それから血の気も多かった青春時代、大抵の方は詩集を読んだり、詩を愛唱されたりしたのではないでしょうか。

 『まだあげ初めし前髪の』、とか『巷に雨の降るごとく』とか、それぞれ思い思いの愛唱歌、応援歌があったのでは。

 あっしも若い頃は、一丁前に、現代詩人全集なんかを、読みふけったこともありやした。

 上田敏の「海潮音」を開いて、この書が森鴎外に献じられていたことも知りました。鴎外には、訳詩集はないと思いましたが、外国の小説の翻訳である「諸国物語」はあります。ここには、ドストエフスキーの初期の短編「鰐」も収録されています。

 永井荷風の訳詩集「珊瑚集」も捨てがたいし、ボードレールの「悪の華」を愛蔵されている方も、あるのではないでしょうか。

 アメリカのホイットマンが持てはやされた時期もあれば、ワーズワースが流行ったこともあったような。

 さいきんは、 金子みすず、ですか。あっしは、もともと象徴派の詩人でありながら、歌謡曲にいい歌をたくさん残してくれた西条八十も、好きです。幅がフシギなほど、広いひとですよね。

 『青い山脈』から、『ゲイシャ・ワルツ』、『蘇州夜曲』から、『王将』、『トンコ節』と。

 八十さんは、あのはち切れんばかりに明るい「青い山脈」の陰で、実はこんなコワ〜イのも書いていたんですね。


「児を貰はう」
「児を貰はう」
嗄(しはが)れた凩の声の
聞えわたる冬の夜半。

「子供はひとり先日(こなひだ)あげました、
あれでもう宥して下さい。」
私と妻とは悲しく答へて
畏れに堅く抱き合ふ。


[No.739] Re: 『詩集』への郷愁 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/24(Sat) 07:07
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唐辛子 紋次郎 さん

>  八十さんは、あのはち切れんばかりに明るい「青い山脈」の陰で、実はこんなコワ〜イのも書いていたんですね。

西條八十は
「鈴の音」(王様の馬は 金の馬.....)
「かなりや」(唄を忘れた かなりやは......)

サトウハチローも丘灯至夫も西條八十の弟子です。

「青い山脈」は
作者の石坂洋次郎が「若い人」を書いて
当局から執筆に圧力を受けていたのを
戦後に自由になってから書いたもので
その解放感があふれているのでしょう。