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[No.81] 夜と霧の隅で 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/10(Thu) 18:19
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「夜と霧の隅で」は芥川賞受賞作品。

北杜夫全集2(新潮社)
一緒に掲載されているのは
「遙かな国遠い国」など。

ここにあるのは
「どくとるマンボウ航海記」

「どくとるマンボウ青春記」
のようなユーモラスな回想記ではなく
いわゆる純文学のようである。

したがって
私にはいまいちの感であった。

「谿間(たにま)にて」は台湾で珍しいフトオアゲハを採る男の話で
この全集のなかで、これが一番おもしろかった。


[No.97] Re: 夜と霧の隅で 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/14(Mon) 09:38
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> 北杜夫全集2(新潮社)
> 一緒に掲載されているのは
> 「遙かな国遠い国」など。

短編「河口にて」では
マグロ調査船に乗ってからもう3か月になる
著者の目からの書き物である。

ここはまだ河口で、冬のアントワープの港を出港してから
丸二日かかっても船はまだ海に出ていない。
フランスの港に着くのはいつになるのか。

高等学校以来の友人が
3年ほど前からフランスに留学していて
もうとうに奨学金がきれているはずなのに
一体どうして暮しているのか
おそらくひどく貧乏しているのだけは間違いない
と書いている。

この友から船の着く港に細かい字でぎっしり書きこまれた
絵ハガキが届く。

どうやら、この友のアパートの近所に住むリスボン生まれの
14歳の少女に出してもらったハガキらしい。