画像サイズ: 390×490 (57kB) | 覚えておいでの方、ありますか?堀内誠一さん☆の「パリからの旅」。
この本はなぜいいかというと、いわゆる『手作りの本』だからである。
イラストだけでなく、彼自身の書き文字が表紙だけでなく、『まえがき』をみても『もくじ』を見ても、本文を見ても至る所に溢れかえっている。
見ているうちに、こりゃあどうあっても行かざあなるめいと、思わせるパワが感じられる。
印刷文字のインクも、黒だけでなく、青や赤をつかったり、じつに派手派手しい。が、嫌味はマッタクない。
しかもパリからの旅だから、シャルトルやヴェルサイユあたりをイメージしてると、誠一はんは、バルセロナやバーゼル、ヴェネツィア。
あれよあれよという間に、ベルギー、オランダ、ベルリン、ワルシャワ、ロンドンとどんどん国境を越えてしまい、最後にはまたパリへ戻ってくる。
手書きの地図も楽しいし、2ページぶち抜きの『大作』にも、お目に掛かれる。
フランス語の発音練習もあれば、知識欲に燃える老年の期待に応える文化的な背景などについても、いっぱい書きこんである。
いまの旅本などはみな、この本のマネだ。
親本は1981年の初版らしいが、あっしの見ているのは1990年の刊本だ。
氏は絵本なども手掛けているようだが、旅本では他に、「堀内誠一の空とぶ絨毯」がある。
☆肩書は、 エディトリアルデザイナー、ということになっているらしい。 |