[No.371]
Re: 五木寛之:人間の運命
投稿者:男爵
投稿日:2011/12/02(Fri) 14:49
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> 以上のことから
> 五木寛之は個人がいくら努力しても
> 大きな運命には逆らうことはできないという。
激流の小舟とか
沙漠の中で孤立してたんでは
誰かの助けとか必要で
自分一人でいくら頑張ってもどうしようもないのですが....
さらにこの本を読むと、次のようなことが書いてあります。
親鸞聖人が「宿業」ということを言う。
この「宿業」を「前世の行為」と訳してある現代語訳もある。
だが、「宿業」の「宿」はたしかに過去をしめす表現だが
「前世」と言ってしまえば、首をかしげたくなる気持ちがある。
よくスピリチュアル系テレビ番組などで
「あなたの前世は、戦国時代の武将でした。
そのときたくさんの敵を殺したその報いが、いまあなたを苦しめているのです」
などと説かれることが少なくない。
そういった「生まれ変わり」的前世というものを
五木寛之は信じないという。
むしろ、きっぱり「過去」と受けとってしまえば納得がいく。
つまり「宿業」とは、その人にまつわるすべての過去の状況である。
五木寛之の過去を左右するのは、彼の両親であり、父と母が彼を生んだのだ。
その両親の二人の関係が、子どもの五木寛之に深く関わっている。
両親が日本人であったが故に、五木寛之はアジアの日本民族の一人である。
それは五木寛之の「宿業」のひとつであり、彼自身の自力ではどうしようもない因縁なのだ。
そして、彼の両親はまた、その親の過去によって、九州の山村に生まれている。