[No.248]
車輪の下
投稿者:男爵
投稿日:2011/11/25(Fri) 17:12
[関連記事] |
ドイツにはセミがいるのかどうかと思って
セミのドイツ語を辞書で調べてから
ドイツ人にドイツにセミがいるかと質問したことがある。
「見たこともない。たぶんいないだろう。フランスならセミはいる」
ところがあとで
ヘッセの「車輪の下」を読んだら
セミのことが書いてあった。
第2章 主人公のハンスはシュツットガルトで試験を受けてよい成績で合格する。
これからチュービンゲン神学院に入って牧師になるのだ。
それまでゆっくり夏休みを過ごす。
....森と牧場とのあいだにあるたくさんの荒れた畦地には強いえにしだが黄色い炎のように燃えさかり、つぎにエリカの長い、うすむらさきの帯。
....そして牧場一面に、疲れを知らぬ、よく通るかんだかいセミ(訳文ではせみ)の歌声がはてしもなくひびきわたっていた。...
筑摩世界文学大系60 「車輪の下」登張正実訳 昭和54年