[No.468]
深田祐介:新西洋事情
投稿者:男爵
投稿日:2011/12/06(Tue) 19:55
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1976年の著書で、第7回大宅壮一ノンフィクション賞受賞した。
その後 「炎熱商人」で1982年に第87回直木賞を受賞。
海外駐在員の苦労話はリアル感がある。
メイドには厳しくしないとだめ。甘やかすとどこまでも手抜きろをし
女主人の留守に冷蔵庫のものを持ち出すということを
(言われても自分のメイドはそうではないと思ったのだが)
具体的にそういう体験をしてみて
やはり厳しい態度でのぞむように変わった某駐在員夫人の話。
日本人男性と結婚した外国人妻はケナゲ。彼女たちは大人である。
それに対して外国人男性と結婚した日本人女性はどうか?
人にもよるが、この本に書かれている某女性は
なんとなく外国人に憧れて結婚してみたものの
後悔半分、日本人と結婚したほうがよかったと考えることもある。
著者は彼女を、夫「個人」と結婚したのだろうか、実はイギリスなりフランスなり
夫が居住者である「西欧国家」の「西欧的雰囲気」と結婚したのではならろうかと思うのだった。
彼女の日々の思いが絶えず後悔と現状肯定の間を揺れうごき、あんまり「ケナゲ」に生きているように見えない。
国際化の時代、少しでも外国人との交流体験をしてきた私としては
この本の内容はなかなかあたっていると思いました。
はずれていることもあるけど、人さまざま、個人は違うから。