[No.523]
山中峯太郎:亜細亜の曙
投稿者:男爵
投稿日:2011/12/12(Mon) 14:11
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> 戦前の 「少年倶楽部」の人気作家としては
> あとは佐藤紅緑「あゝ玉杯に花うけて」や
> 山中峯太郎「敵中横断三百里」などがある。
というわけで
今度は
山中峯太郎の「亜細亜の曙」です。
日本児童文学大系20巻 ほるぷ出版
を借りて、読んだのでした。
すごいすごい。 007みたいだ。
007や仮面ライダーは世界制服をたくらむ悪の一味に敢然と戦うのだが、正義のヒーローが、相手が○国だとすれば、このようなスパイ小説となる。
それにしても、この主人公は英語やドイツ語だけでなく、江西省の言葉もインドの言葉も話す。 しかも液体空気の爆発力(ロケット)の専門知識もある。
そして筋骨隆々たる武闘家なのだ。
ネットにも書評があります。
http://www.h3.dion.ne.jp/~meijin/page062.html
山中峯太郎の代表作に「少年倶楽部」一九三〇(昭和5)年四月号から九月号かけて連載された「敵中横断三百里」がある。
これは日露戦争での建川挺身騎兵斥侯隊の活躍を描いたもので、実録風を装った冒険活劇に多くの読者が喝采をあげることになり、単行本化されても何百刷かを数えたらしい。
この連載に続けて山中峯太郎は「日東の剣侠児」(一〇〜一二月号)、「亜細亜の曙」(一九三一年一〜一九三二年七月号)、「大東の鉄人」(一九三二年八〜一九三三年一二月号)と延々二年以上にわたってスーパーヒーロー本郷義昭軍事探偵のシリーズを書き継ぐことになる。
そのなかでも孫文の言葉から題名を採ったという「亜細亜の曙」が特に人気を博したようである。
物語は、前作「日東の剣侠児」で第一次世界大戦中にヨーロッパ戦線で連合国側について大活躍した本郷義昭が、今度は日本から某国により盗み去られた日本大兵器製造所の計画機密図を追って、中国から南洋にある某国の秘密要塞・巌窟城へと潜入するのである。
「日東の剣侠児」では敵として争ったドイツのクロック中将と出会い同盟を結び、巌窟城内ではインド独立をめざす少年ルイカール王子と一致協力して日本をアジア征服しようとする某国、白人たちと戦い、ついにはその野望を打ち砕くのである。
古書も売られている。
http://search.newgenji.co.jp/sgenji/L3/?10188847/