[No.5438]
Re: キルギス旅行記
投稿者:男爵
投稿日:2017/05/02(Tue) 12:53
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いよいよ国境が近い。道の両側にはバラ線が張られている。
突然左手に兵舎が5棟見えた。迷彩服を着た若い兵士が現れた。
ここまで我々に同行してくれた局長は通訳をともない、
我々のパスポートと出国用紙、キルギス政府発行の国境通過申請書を持って行った。
しばらくして、通訳が戻ってきて言うには、
なんと我々10名は申請書に名前が書いてあるから認めるが、
2名の運転手の名前が書かれていないから、通行を認めないという。
まさか歩いていくわけにはいかない。
我々はなかなか通してくれないのに、脇の草原を羊の群や時には馬に乗ったキルギス
人が通る。
1時間以上待たされてから、国境警備隊の本部に着く。
警備隊は食事中とのことで、しばし待たされる。
ここはこの街道で一番高いところ。冬は気温がマイナス45度になり、
5月から10月までしか通行できない。
こんな厳しいところで働くのだから、大変な仕事だ。
しかも、ソ連の崩壊で、ロシアからも給料は十分出ない。
キルギス政府も貧しいから、あまり払っていないのだろう。
となれば、彼らは通行人になんとか通行料をふっかけるしかないのだろう。
日本で、このトルガルト峠のことを書いた説明書はない。つまり、誰も日本人は通ったことがないのだろう。
ここを通るのは、新疆ウイグルとキルギスの間の商人だけ。
おそらく彼らは、いくらかの通行料を払っているのだろう。
これ以上ここに留まると、中国の国境ゲートは閉じられてしまう。
時間ぎりぎりのところで、国境警備隊は通してくれた。
しかし、今度は通関の職員が現れず、またも待たされる。
すったもんだのあげく、やっと我々の車が国境を出発する。
結局、我々の車の運転手はここに残り、現地の人間に金を払って運転手として雇う。
その運転手が最後の門の前に立つ(機関銃を携帯した)男に、なにがしかのお金を払うのを見た。