みなさん、こんばんは。
高い飛び込み台からプールに飛び込んだり、高いビルの屋上から身投げす る人の数秒間以外に人類で無重力を体験した人はありませんでした。
ボストークが地球を一周する約一時間半の間、ユーリイ・ガガーリン少佐 が「長時間の持続した無重力体験」をしたのは僅か55年前でした。
職場でラジオを掛けっぱなしにして、心は宇宙に貼り付けられていたこと を思い出します。
当時でも人間の入ったカプセルを短時間ながら人工的な無重力環境にする 技術は持っていました。
その一つは落下塔です。 真空にした塔の中を自由落下するカプセルで数 秒間の無重力環境を作るのですが、その最大の欠点は、無重力状態の持続時 間を実用上数秒以上できないことと、落下するカプセルを減速して安全に停 止させる手段でした。
もう一つは、飛行機を使い、放物線飛行をすることで最長20秒間ほどの 無重力環境を作ることです。 これはコスト的にも一番身近な手段であり、今でも宇宙飛行士の訓練に使 われていると思います。
欠点は、飛行機の操縦が完璧に行かない事、周囲の気流に乱れのあること、 エンジンの振動があることでした。
そこで、考えたのが、その飛行機の中に別の枠を作り、その枠を非接触の 電磁石を使って中空に保持させる手段です。
これは比較的簡単で、50センチ立方の枠を浮かせることで、飛行機の残 留加速度を更に1/10以下にできましたから、小さな実験対象での実験に はある程度実用になりました。
ただ、一回の飛行実験中に10回程度の約20秒間の微小重力空間に実験 作業者が曝されること、特にその前後で急速に重力環境に大きな変動がある ことに変わりはなく、同乗する実験作業員には負担でしたね。 戻ってきたとき真っ青になっている人や暫くは食事の出来ない人もいまし た。(-.-)
パイロットも同じ空間にいるのですが、自分が操縦していると覚悟も決ま るのか、或いは馴れているのか、割合平気な顔をして笑っていました。
その体験で判ったことは、無重力状態になってしまえそれが長時間持続し ようと感覚的には大したことではないと云う事です。
***** Pan *****
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