[No.1023]
唐辛子 紋次郎 さんへの回答
投稿者:男爵
投稿日:2012/04/06(Fri) 13:28
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唐辛子 紋次郎 さん、 みなさん
> 音楽とは関係ないけれど…。
> これがフシギなんすね。Fliederちゅのを、独和で引くと、ある辞書にはリラ、ライラックと書いてあるのに、もう一つの辞書では、にわとこ;ライラックと出ています。
> 広辞苑では、にわとこは、スイカズラ科の植物で、リラはモクセイ科。明らかに違います。一体どうなってるんでしょう。
> 男爵さん、教えて!
はいはい
私もわからないから
専門家に聞きました。
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16世紀頃、Fliederという単語がありました。この語は
もともとはHolunderの意味で使われていました。
つまり、せいようにわとこ(西洋接骨木)Sambucus nigra
を指したようです。甘い香りのする白い花が咲きます。
原産地はヨーロッパ。やはり16世紀頃syringa vulgaris
(リラ)が知られるようになると、Fliederという語にも「リラ」
の意味が付与されました。当初は形容詞とともに
シュパーニッシャア・フリーダーとかトゥルキッシャー・
フリーダーという使われ方をしていましたが、だんだん
形容詞がとれてただ単にFliederと言われるようになりました。
現在では、「リラ」の意味で使われる方が多く、「にわとこ」の意味で使うのは
はドイツ北東部の方言ぐらいのようです。それも形容詞を付けて
schwarzer Flieder「黒にわとこ」、のように。
にわとこもリラも似たような香りのする花ですので、16世紀頃は、
「種」などという科学的区分によって区別することはなかったのです。
当時の時代状況で考えれば、違う意味が付与されていても
納得のいくところです。
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これを教えてくれた先生はドイツで博士号をとった
実力派のドイツ語の先生です。
何冊か著書もあります。
だから
信頼すべき情報だと思います。