[No.204]
Re: 電力の社会史
投稿者:男爵
投稿日:2013/06/25(Tue) 09:34
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核燃サイクルは停滞したが、原発は増えた。
福島原発事故の前まで日本は54基の原発をもち、米国104基、フランス59基に次ぐ世界3位の原発大国になっていた。
国策として進められる原子力政策に対して、反対勢力も次第に力を失っていった。反対運動が盛り上がるのは、原発建設予定地を決める過程だ。
しかし、70年代にはおおむね決着がついた。
新しい原発建設設置を決めることはあまりにも難しく、電力会社もあきらめ、既存建設地への集中立地が進んだ。
いっぽう、政府・官僚、電力会社、原発メーカー、研究者らは、効率よく原子力を推進する社会構造をつくりあげていった。
その過程で行き過ぎた人的ネットワークの形成も見られた。
しばしば「原子力ムラ」と呼ばれる。
この特徴は、構成するメンバーがお互いを批判せず、研究開発費など国家のお金や、原子力に関する社会の重要なポストを融通しあう「互助会」的な役割を果たすことだ。
国立大学の原子力研究者の世界では、原発に批判的な研究者は教授に昇進させないという、あからさまな差別取扱いがとられてきた。
政府の委員会メンバーなどにもつけない。