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[No.438] 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/05(Sat) 07:24
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> 日本の食生活全集 農山漁村文化協会
> という全集があります。

こんな全集です。
http://www.ruralnet.or.jp/zensyu/syoku/

そこで今度は
岐阜の食事です。

海のない岐阜県
長野県も海がないのですが
なぜ岐阜県を選んだのかというと
あの方の県だからです。

幼い早船ちよが祖父母のいる奥飛騨を訪れたとき
囲炉裏には朴葉みそと根深ネギがふつふつと煮えていて、柚子がぷうんと匂う。
幼女が、灰をほじくると、ほっこりやけたジャガイモ、ソバ餅がころげ出る。

祖母が並べてくれたのは、クリめし、棗(なつめ)の甘露煮、ハチの子、ヤマユリの根、ヤマイモ。みんなおいしい。

 早船ちよというと吉永小百合を思い出すのです。


[No.439] Re: 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/05(Sat) 08:17
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> 岐阜の食事です。
>
> 海のない岐阜県

わらび粉をつくる村

大野郡朝日村は飛騨の東部にある。
(合併により2005.02. 01から高山市になった)

わらび粉以外はこれといった換金作物がないので、村人は労力のほかにはあまり経費のいらない「わらび粉」(はな)の生産に従事し、季節になると家中が睡眠時間を割いても山の水車小屋に泊まり込んで働く。

わらび粉は食料として自家消費もする。それはおもに二等品の「黒ばな」と呼ばれるものである。もっとも、大部分は販売し、食料や日用品の購入にあてる。「白ばな」と呼ばれる一等品の方は、主として織物や和傘の糊、菓子の原料として売られる。

わらびは春秋の二期に採掘する。春は、雪が解ける四月中旬から六月初旬まで。秋は、九月中旬から十月下旬の初雪のころまでである。
朝日村、高根村とも男は出稼ぎが多く、わらび粉の製造を担うのは女子である。

採掘用具は、備中鍬(ぐわ)、または唐鍬(とうぐわ)を用い、深さ七寸ないし一尺程度の土をわらび山の一隅から順次掘り返し、わらびの根を採取する。一人一日の採取量はほほど十四貫から二十貫を標準として採取する。
   1尺=30.3cm  4貫=15kg

採ってきたわらび根は水洗いして、たたき槌で根を砕く。
十分に砕いた根は一晩ねかせておく。前日砕いてねかせた根をでんぷん質と粉がす(不要物)にだいたい分離してから、はな桶に入れて水を加え沈殿させる。

わらび粉の製造過程ででんぷんが沈殿するさい、細かい根の皮の混ざった灰色の部分と、まっ白な部分に分離する。
灰色の部分を黒ばな、白色の部分を白ばなという。

はな桶からでんぷんをおこし、こぶし大に砕き、枠のついた浅い木箱に入れ、日陰で乾燥すると、はなができる。


黒ばなを使う料理
 ねりもち
  黒ばなばかりだと、できあがりがゴムのりのような感じなので、そば粉やかわらべ(小麦のかす)を混ぜる。水を加え適当な柔らかさによく練り、なべで焼く。
  焼き上がったものをもちのように切り、きな粉、砂糖、塩などをつけて食べる。
 いりばなもち
  黒ばなに炒り豆(大豆)を入れ、ねりもちの要領で焼く。豆が入っているので香ばしい。

白ばなの料理
 はくらん  白ばなを水で溶いて生で飲むと、解熱剤となる。
 白ばな湯  白ばなを少しの水で溶き、よく混ぜて、熱湯をかけながらはしでかき回す。病院食として重宝がられる。 とくに胃腸の悪い時の食事である。
   (私は、片栗粉があれば、いつでもこの食べ物をつくって食べることができます)


[No.449] Re: 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/06(Sun) 15:32
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古川盆地<国府>の食事
  ここは江戸時代は天領として中央の文化が流入

冬の朝飯
 くさもち、朴葉にのせ焼いた味噌と切り漬
 麦飯、味噌汁(大根、ぜんだいも、ずいき)
    ぜんだいも:ジャガイモ ずいき:里芋の茎を干したもの

冬の夕飯
 干いわし、切り漬、麦飯、味噌汁(大根、棒麩、揚げ) (お膳の外に)大根の煮しめ、ぜんだいもの煮しめ

昼飯の写真はなく、文章だけ
 昼 かぼちゃだんご、焼き味噌と切り漬、なます
 昼は簡単にすませることが多い。


[No.450] Re: 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/06(Sun) 15:52
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> 古川盆地<国府>の食事

春の朝飯
 麦飯、味噌汁(さし菜、ぜんだいも)、煮たくもじ
  煮たくもじ:古くなり酸味のついた漬物を水にひたしてから刻み、たまりと揚げ油の使いふるしを加えて煮る

春の夕飯
 麦飯、煮しめ(大根、にんじん、ぜんだいも、蒸したつくり)、あさつきの酢味噌和え (お膳の外に)紅かぶらの長漬


[No.456] Re: 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/06(Sun) 18:54
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いちおう続けます。



 朝飯  麦飯、なすびの味噌汁、大根のひね漬

 昼飯  麦飯、ころいもの煮しめ、きゅうりもみ、きゅうりの浅漬
       小粒のぜんだいもをころいもといい、皮ごと煮ておく。

朝飯と昼飯の写真なし

夏のこびり
 にぎり飯(梅干し入りにきな粉とごま塩をつけて)、大根のひね漬  (お膳の外に)さやえんどうと干しにしんの煮しめ

夏の夕飯
 さば缶の塩け飯、澄まし汁(豆腐、さやえんどう)、煮しめ(大根、にんじん、干しにしん、こんぶ)  (お膳の外に)きゅうりの浅漬

  さば缶が出たのには驚いた。


[No.472] Re: 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/07(Mon) 16:37
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秋の朝飯
  麦飯、味噌汁、大根のひね漬

秋の昼飯
  麦飯、塩ますの焼き魚、きんぴら  (お膳の外に)なつめの煮しめ
     なつめは色づいてきたので、保存がきくよう煮しめておく。

夕飯は写真なし
  麦飯、朝の残りの味噌汁、なつめの煮しめ、秋ささげのあぶらえあえ、ひね漬

 あぶらえ:シソ科のエゴマ 5000年前の縄文中期からの出土もある。


[No.482] Re: 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/08(Tue) 06:02
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南濃輪中の食事

冬の朝食
 麦飯、味噌汁(大根と里芋)、たくあん

冬の昼食
 麦飯、ふな味噌、川えびと大根の煮つけ、たくあんと梅干し
   容器は「あんびつ」という。 船で田に行く。田で弁当を食べる。

春の朝食
 麦飯、かけ大根とさやえんどうの味噌汁、たくあん

春の夕食
 新じゃがの煮もの、五月豆のおひたし、たくあん、麦飯、えんどうと卵の澄まし汁


[No.490] Re: 岐阜の食事 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/08(Tue) 12:47
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夏の昼食
 せんたろばえのつくだ煮、たくあんと梅干し、麦飯、じゃがいもの煮もの
   せんたろばえは、田の水を落とした時とれる小魚

夏の夕食
 きゅうりの酢もみ、なすの味噌あえ、たくあん、麦飯、しじみの澄まし汁

秋の朝食
 ひじき入り煮豆、たくあんのひね漬と梅干し、麦飯、里芋と大根の味噌汁

秋の夕食
 つぼの味噌あえ、さんまの塩焼き、たくあんのひね漬、麦飯、味噌汁

同じ岐阜県でも、飛騨白川では、ひえ飯が多い。