> いま > 年寄りの金に目をつけた人たちが、あの手この手で > そのお金を奪いに来ます。 > > オレオレ詐欺 よくまあ(そんな)大金を持っているものだと思う。 > 息子や孫を思う気持ちを悪用されて.... > > 海外の儲け話にだまされ、虎の子をとられる話....
こんな本を図書館から借りてきました。
鈴木大介:老人喰い ちくま新書1108
オレオレ詐欺の手口を簡単に解説すれば...
三人一組でターゲットの老人に電話する。(彼らのいる某会社(?)のその部屋では、駅構内で録音したものをボリューム一杯に流す。「間もなく3番線に、通勤快速川越行きがまいります...。」これが臨場感を増すBGMなのだ)
まず孫あるいは子だと名のる男が「ああ、もしもし、オレ、○○だけど...」 続いて、鉄道警察隊を名のる男が「○○さんが電車の中で女子高生に痴漢行為をしました。いま取り調べをしています」と話す。 その電話をひったくるようにヤクザ口調の男が乱暴に大声でまくし立てる。「俺の娘をひどいめにあわせてくれたな。なんてことをしてくれんだよ!」 まるでテレビドラマのシーンのように、自称鉄道警察隊の男と被害者の女子高生の父親が交代交代で、老人を責める。
たいてい老人はうろたえ、「今、示談にしたら当事者の話し合いですむから、警察の仕事ではなくなる。どうしますか」という言葉につい大金を支払うことに同意する。
どうして、そんなにも家族のことを具体的によく知っているのか?
実は、このグループとは関係のない別の調査専門の仕事をする悪い奴らがいて たとえば、「こちらは△△警察署の生活安全課ですが、ただいま高齢者の防犯のためにいくつかの質問をします」など電話で聞いてくるのだ。
あらまあ、ご丁寧にありがとうございます。相手の公的機関名を疑わずに信じて、家族関係や取引銀行がどこだとか、自分の住宅が持ち家か賃貸か、不安なことを相談できる相手は身近にいるか等を聞かれるままに教えてしまう。
このデータをどこからか手に入れ、そのデータをもとに、オレオレ詐欺グループは行動開始するのだ。
ほかにも、ベネッセ顧客情報(漏洩事件)や不動産投資家名簿、公務員退職者や大企業退職者名簿など、できるだけ集めてきて、それらのデータベースの資料をもとに 金を持っている、騙されやすい、独居老人をソートしていって、それらをまとめた特別名簿をつくれば、それはオレオレ詐欺者たちにとっておいしいカモネギ資料となるわけです。
何々が当たるというCMの懸賞に応募するため 電話番号や住所や家族構成などハガキに書いて送るのも、そういう被害者データベースに取り込まれるおそれがあります。
お菓子屋さんにアンケート応募したのはずっと以前のこと。でも、毎年子どもの誕生日にバースデーケーキのハガキがお菓子屋から送られてくる。その息子はもう事故で死んでしまったのに。悲しい。 (データはしっかりコンピュータに入っているのです)
この世の中は危険が一杯。 便利なものは悪用もされる。
ベネッセ顧客情報(漏洩事件)のように、大事な顧客情報はネットに漏れませんというが、そのデータを扱う派遣社員が盗み出して外部に売りつけるようなことも起こっているのです。 慎重な人はカード会社や金融関係の会社のいうことを単純に信用しない方がいいでしょう。
いまは人ごとだと笑ってこの本を読んでいる壮年期世代も やがて退職して、頭も弱くなって、新しいカモになると 詐欺師たちは予想しているそうです。 もうすっかり名簿に取り込まれている? あなたもあぶない!
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