講師: 元南極越冬隊長 川口貞男氏
演題: 「南極探検の話」
日時: 平成13年5月19日 午後4時〜6時
場所: 豊島区医師会館講堂(池袋)
講師の川口貞夫博士は旧制第2高等学校から、東北大学地球物理学科を卒業後、気象庁に勤務し南極観測要員となって、第2次隊、第3次隊(越冬)に参加されました。その後南極観測事業の恒久的実施のための中核機関、極地研究センターの設立とともに気象庁から移籍。同センターが文部省国立極地研究所となって現在に至る間、第8次隊(越冬)、第11次隊(副隊長)、第13次隊(越冬隊長)、第21次隊(越冬隊長)、第26次隊(夏隊長)に参加れました。平成5年国立極地研究所を定年退職し、現在は名誉教授をしておられます。
聴衆は倶楽部会員27名、会員外7名、計34名で宣伝不足のためか、聴衆がやや少なかったが、豊富な資料を駆使した講演は聴衆を魅了し、時間の経つのを忘れさせた。
詳しい内容はパティオやHPの会員談話室、HPのサロンに掲載してあるのでここでは省略する。
要旨は南極観測の歴史に始まり、第1次が天候に恵まれて成功したことが、何よりの幸運であったことを力説された。
良く知られたタロー、ジローの物語もそう言う事情だったのか、と改めて極地の厳しさを思い知らされた。
次いで南極の観測態勢の変化、初めは探検だったのが、次第に整備されて科学的観測への移り変わりを写真や図を使って説明された。
南極条約についての解説に次いで、日本隊の最大の貢献は「オゾンホールの発見」であったと説明され、その意義の大なることを知らされた。
この事業の成果は45年近くも継続してきたことによるとされ、地球規模の自然観察に貢献した、と結ばれた。
講演後の質疑も活発に行われたが、終わり近くなってからであるが、衛星通信による家族との通信が何よりも嬉しく、心のささえになったとのことであった。
南極のHPが紹介されたので是非ご覧になって見ることをお勧めします。
南極観測のホームページ: http://www.nipr.ac.jp/jare/
(この要旨は会員のまこと・湯川さんの記録によるもので、ここに感謝の意を表します。)
付記
講演会後の懇親会は講師の川口博士を囲んでで同館3階で開かれ、参加者31名で大変盛会でした。
2001.05.26(土) 07:31 杉本 毅 (takeshi.sugimoto@nifty.ne.jp)