大正十二・三年頃の地方都市は殆どの民家が一階建てでした。豆撒きになると子供達は木綿の袋を持って各戸を回りました。家々は心良く子供達を家内に招き入れ駄菓子や偶には小銭を混ぜた豆撒きをやって居りました。一杯になった木綿袋を提げた小童が砂埃の立つ街路を練って歩くのも一つの風物でしたがあれはシゾーカだけだったのかな。 変蝠林(1917-)