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[No.50] 「千一夜物語」 投稿者:   投稿日:2010/04/23(Fri) 13:45
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「千一夜」はイタリアの「デカメロン」と同じように枠物語として有名だ。なことはまあ、どうでもいいのだろうが、子供のころ読んで大変面白かったので、大人になってから、ほんとの「千一夜」に挑戦した。

大学生の頃、ちょうど結核にかかり学校を休んだので療養中の時間を利用して読むことにした。岩波文庫の「千一夜物語」はたしか全26巻だったと思う。読了するにはかなりの意気込みが必要だった。訳者は豊島与志雄/渡辺一夫/佐藤正彰/岡部正孝という錚々たるメンバー。名訳だったと思う。

 千一夜には、この仏蘭西語からのマリュドリュス版と英語からのバートン版(大場正史の個人訳)があった。その後、アラビヤ語の原典から訳したもの(前嶋信次訳。全訳がなる前に訳者死亡のため途中まで)が現れたらしいが、そう同じものを読むことはないので、一つ読めば十分だと思う。しかし、今ならちょくせつ原典訳に接するのがいいのかもしれない。

 全部を読むのは大変と云う向きには、大場正史著の抜粋版「アラビアンナイト物語」がある。

 有名な「開け胡麻」だが、さいしょそれを云ったのは盗賊の首領で、これは洞窟の中で呪文を唱えたものらしい。アリババが初めて聞いたのは洞窟の外へ出た首領の「閉じよ胡麻」である。そこで彼は、一部だけ変えればいいとチエを働かせたわけである。

 アラビヤ語に詳しい平田伊都子氏に依れば、千一夜は原語では「アルフ・ライラ・ワ・ライラといい、開けゴマは、「イフタフ・ヤー・シムシム」だそうである。ヤーは間投詞で、シムシムが胡麻(平田伊都子著「アラビヤ語夜話」)。