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[No.7336] やさしいおじさま 投稿者:あや  投稿日:2015/10/22(Thu) 18:21
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連合自治会の広報を作らなければならないので、今日は時間を空けておいた。
家で今夜の保健活動員会の会議のための資料をパソコンに打ち込んだりした。
11時30分ころか自治会館へ行き、昨日ソフトに入れた広報の修正をした。
13時ころに一応終わった。

そのあと家でやることもあったが、昨日で会った知合いの女性が、区が発行した
「ウォーキングマップ」が欲しいと言ったので、「持っているからあげます」
と言った。いつでもいいと言われたが、時間が少しあるので届けることにした。

町は違うが、隣りと近かったので会館の帰りに出かけた。一昨年文化祭のお茶部
会を手伝ってくださったのだ。そんなことで、そのころ届けものをしたことがあ
る。それだけのことで、家がどこだったか住所を頼りに行くしかなかった。

わが町の突きあたりを右に曲がって、更に右に曲がったら、2624番地となっ
ていた。その先へ行くと2628番地とかになっていたので、道を渡ってみたら
区が違っていた。こんな細い路地で区が違うなんて住んでいる人は大変だろうな
と思ったりした。

人家も少なく、人はまったく歩いていない、そんな地域なのだ。うろうろと何度
も行ったり来たりしてしまった。そこへおじいさまが通りかかったので幸いとば
かりにお聞きしたら、
「すぐそこが家だ、おいで」と言う。
「申し訳ないので探します」と言っても、
「大丈夫だよ、地図もあるから」と言ってくださった。ドアを開けて、
「おーい、地図があっただろう。・・・・・」出てきた奥さんと話しながら、
「かまわない、入れ、入れ」と玄関に入れてくださった。いろいろ地図を調べて
くれたりして、なんとかわかった。一緒に行ってくれそうになったので、私は断
り家を出た。

なんと反対側に下ると、すぐ以前曲ったところの運輸会社が出てきた。そこから
斜めに入ってすぐだったのだ。最初に突きあたって左に曲ればよかったのに、右
に曲ったばかりにおかしなことになったのだ。

ノックすると一度お会いしたことのあるご主人が出ていらした。ご主人はもちろ
ん私の顔など覚えていない。私だって他で出会ったらわからないだろう。奥さま
は留守だったので、置いて来たがそれはそれは柔和な顔を持った方なのだ。一昨
年は庭で餅を搗いていらしたが、持って行くようにとくださったのだ。

10歩も歩いただろうか、オートバイに乗ったおじいさまがやって来て、
「わかったの」とにこにこの顔で言う声と共にバイクを止めた。声がなければわ
からなかった。
「わかりました。ありがとうございました。お出かけですか」と言うと、
「いやぁ、わからなかったら困ると思って来て見たんだ。よかった」と言ってく
ださった。なんとも驚きであった。歩いて来たのでは間にあわないと思ったのだ
ろうか。この優しさはなんだろうと感激してしまった。
「ありがとうございます。心配おかけしてすみません」と言ったりしたが帰って
行かれた。

私は家に戻り、おせんべいを一袋、私が作った手芸用品を持ち、再度その方の家
に向った。奥さまと共に玄関へ出てきてくださったが、私が並べた物ににこやか
な眼差しで、
「こんなことしちゃだめだよ。当たり前のことをしただけだから」と。
「こんなに親切にしていただいてうれしかったです。このようなことはなかなか
できません」など言うと、奥さまは、
「当り前のことをしただけですよ」とおっしゃってくださった。
「どこに住んでいらっしゃるの」と聞かれたが、
「隣りの竹山です」と答えただけに留まった。

なんとも気持がよく、うれしかった。道々心がふわふわと弾んでいた。私の足も
弾んでちょっと小幅なかけ足で下ったり、上ったりして家に戻って来た。

                        2015-10-21