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[No.7370] 『かかわり本』番外編〜2 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/11/14(Sat) 21:37
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夢声は新宿の武蔵野館で得意の弁舌を披露していたらしいが、あっしは(もちろん、トーキーの時代になってからであるが)この映画館には何度か行った覚えがある。新宿にはそのほか、昭和館と云うのもあったはずだ。ムーラン・ルージュについては聞いたことはあったが、中へ入ったことはない。(1951年廃業とあるので、あっしの学生の頃まだ、営業していたらしい。)

 井伏さんによると、徳川夢声というひとは、洒落の名人であったそうな。すし屋で洒落を連発して、すし屋の主人が笑い転げたとあるが、酒の飲み方が尋常でない。飲むというより流し込むというのだ。

 あっしの思うに、人気絶頂の夢声にも、ひと知れぬ悩みがあったような気がする。井伏さんは、夢声とは将棋の会で、実際に会ったこともあるようだ。

 話は変わるが、次は、

 四面道の由来。四面道の名は、「荻窪の今昔と商店街之変遷」の著者、矢嶋さんによると、青梅街道と大場通りの交差する箇所が、四面道。四面道というのは元、秋葉神社の常夜灯のことであるらしい。

 江戸時代の末期に、常夜灯講中が建てた。秋葉神社は東京の秋葉原という地名の起こりにもあるように、火伏の神であるという。当時、江戸には火事が多かった☆ので秋葉神社も多かったのではないか。

 もと、四面塔とも、云ったらしい。あるいは四面体をしていたか。あっしは別に、四面灯も考えた。   

 また、長くなったので、「風土記」の感想はここで終わることにする。
                                 (完)

 ☆よくは覚えていないが、江戸に多いものを集めて「火事 喧嘩 伊勢屋 稲荷に犬の糞」とかってのが、あったような気がする。


[No.7390] Re: 『かかわり本』番外編〜2 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/11/21(Sat) 14:01
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まるこさんが、この『文集』(#7387「名前のルーツ」に書いた薩摩人の苗字で、例の「風土記」にも、海音寺潮五郎のことが出ていたのを思い出した。

 それは「続・阿佐ヶ谷将棋会」の文中にあったもので、第二次大戦の時、民間人も徴用された。著者の井伏さんも陸軍から徴用令を受け取り大阪の連隊に入隊した。指定の場所に着いてみると、それぞれが勇ましい恰好で現れた。なかでも、「海音寺潮五郎は、朱鞘の大刀を真田紐で背中に吊るし(刀身は二尺五寸)映画で見る甲賀流の忍者、または古画で見る股くぐりの韓信を思わせる」勇ましいもので、徴用係の将校たちも、海音寺には一目置いた感じだったそうだ。

 やがて髯の隊長が、徴員一同に気合を入れようと、俺が指揮官だ。俺が貴様たちの命は預かった。「ぐずぐず言う者は、ぶった斬るぞ」とはったりをかけた。そのことばに、一同は思わず立ちすくみ、中には卒倒するものもあったが、「いきなり「ぶった斬って見ろ」と叫ぶ者があった。これが海音寺潮五郎であった」と書いてある。

 また、別の個所では、海音寺が仏印のサイゴンの港で、誤って海中に落ちた。怪童丸の働きですぐ救助されたが、徴員連中は驚いて、騒ぎ立てた。すると、海音寺は、さあらぬ態で「者ども騒ぐな」または「騒ぐな」と云ったという。こんな伝説が残されている。海音寺はなかなかの、ゴーケツだったらしい。

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  ※ なぜこの書き込みが出来たか、よーく、考えてみたら、図書の返却日を過ぎていたのに、まだ持っていたからだった。いっけねえ、街の図書館へすぐに返しに行かなくっちゃ。(-_-;)