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[No.7931] テレビアニメ 投稿者:男爵   投稿日:2017/08/29(Tue) 17:18
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日本のテレビアニメの歴史は
まず手塚治虫の「鉄腕アトム」からはじまる。


  山崎敬之:テレビアニメ魂  講談社現代新書1789

テレビアニメに関する本はたくさんある。
歴史的解説から、作品論や技術論までどっさり。

しかし、著者には物足りない。 何かが足りない。
 それは「現場の熱気」がないのだ。

おそらく
第一線の現場で視聴率に振り回されながら一喜一憂してきた
著者からすれば、現場のどろどろした雰囲気の知らない評論家の文章は、何か迫力が無いのだろう。

ということで、著者の体験や裏話的なこともたくさん紹介している。


著者はテレビアニメ作品のシナリオ制作に携わった。
著者は東京ムービーに所属していたから、東京ムービーの活躍の話が多い。


☆「オバケのQ太郎」
  人気番組なのに打ち切られた。子ども向け番組では、関連グッズの売り上げは、視聴率15%を超えると、あとは変わらない。
   関連グッズがもう売れないとみたスポンサーがおりると言えば、止めざるをえない。


○中国人留学生の子ども(特に女の子たち)に人気だった「アタックNo.1」
しかし、放映開始がせまっても、主題歌がなかなかできない。困っている同僚をみかねて、著者は試しに1番だけ書いた。
何もしないで見ているだけでは著者も辛かったのだろう。

どうせ、素人の自分の作品など受け入れられないだろう。しかし、困っている同僚たちには何かヒントを与えるかもしれない。

苦しんでいる同僚は、とりあえずそれを会議にかけたところ
なんと、あっさり通ってしまった。

軽い気持ちで書いた著者は、1番だけでは使えないと言われ、無理して2番も書いてしまった。

著者は遊び心で
「だけど涙が出ちゃう 女の子だもの」というセリフを主題歌に入れたのだった。
 (酒のせいだと後で告白している) (酒は気を大きくして、自由に創作する気分を与える?)

だから、その後ずっと著者は「アタックNo.1」の主題歌を聞く度に、冷や汗が出る。

「アタックNo.1」の主題歌は、最初小鳩くるみが歌っていたが、大杉久美子の歌となった。


◇東京ムービーは、1971年に
新作3本 「天才バカボン」、「ルパン三世」、「新・オバケのQ太郎」をつくることになった。

著者の担当した「新・オバケのQ太郎」はまずまずの成果をおさめたのだが
「天才バカボン」と「ルパン三世」の視聴率はさんざんで、テレビ局の局長から酷評を受けた。
  聞くに堪えられない責め言葉を聞いたら、今の若者なら何度も自殺を試みたろう。

ところが 「天才バカボン」、「ルパン三世」は再放送すると15%という視聴率をあげ、本放送を上回る数字を上げたのだった。

あまりにも早く出たアニメ作品は理解されるのに時間がかかったのだ。
  モーツァルトやペートーベンの音楽のように。  「宇宙戦艦ヤマト」も最初の放映ではサッパリだったが、徐々に人気が出た。


○「アンパンマン」
スポンサーになる予定の製パン会社の社長は、バイキンマンが登場すると知って、怒ってスポンサーを降りてしまった。
 グリコ事件の後、この製パン会社も「バイキンを入れる。それがイヤなら金を出せ」と脅迫状が届けられたから。

日本テレビの課長が、「アンパンマン」の企画をすすめてくれたから、世に出ることができた。


作者のやなせたかしは、語っていた。
アンパンマンだけだと話がしまらないのです。バイキンマンがいたほうが、楽しい話になるのです。
 バイキンマンが悪いことをして、アンパンマンに懲らしめられハッピーエンドとなる。

同じようなことは、水木しげるも書いている。
卑怯な、裏切りばかりする(人間的な)ねずみ男がいなかったら、鬼太郎の話はつまらなくなる。
それに気がついて、積極的にねずみ男を登場させるようになりました。


悪魔も必要上、宗教家が採用したのかもしれません。神の偉大さをわかりやすくするために。


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