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[No.6799] シルクロードのロマンに惹かれて 投稿者:GRUE  投稿日:2014/09/23(Tue) 11:59
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シルクロードのロマンに惹かれる日本人は多い。私もその一人である。

子供の頃、奈良の正倉院などに残るペルシャなど西方文明の遺物に遥か
遠くの異国を想像しようとしてできず、いつかは行ってみたいと思った
ものだ。

幸いなことに、40年以上前に、ローマに留学滞在する機会を得て、
むさぼるように現西欧世界の土台を築いたあの古代ローマ帝国の遺跡を
巡ってそのすごさを目の当たりにできた。

これらを繋ぐものが、ユーラシア大陸の中央を走るシルクロードである
ことは言うまでもない。いつかは走破したいと思ってきた。

この6月のユネスコ世界遺産委員会で、このシルクロードの一部が世界
遺産に登録された。何で今頃になってと思うが、それはそれとして、
中国、キリギス、カザフスタンの3国共同提案とのことである。

漢、唐の時代の都であった長安(現西安)や洛陽から、天山回廊を通って
中央アジアに至る約5000kmの一部区間とのことである。

言うまでもなく、陸のシルクロードは、長安とローマを結ぶ経路という
ことになっているが、途中の経路も無数のバリエーションがあり、それ
だけでなく、西欧はローマの先のスペイン、フランス、英国のイングラ
ンド(ハドリアヌス帝の長城)までカバーしている。東では、朝鮮半島
を経て日本(ヤマト)の奈良にまで達していると思っている。ロードの
東端が奈良であることは特別な意義があるように思う。

このユーラシア大陸のど真ん中を貫くシルクロードは、ロマンもとてつ
もなく大きいが、歴史や文化交流の観点からもとんでもない大きさを持
っている。世界4大文明はこのロードもしくはこれの近辺で発生した。
又、名だたる世界大帝国も、ほぼこのロードに沿って興った。最後の
大帝国はオスマン帝国ではないかと思う。それが滅びたのは20世紀の
初めに過ぎない。

遙かなロマンの夢を持ちながらも、現役時代はほとんど訪問の機会は
なくテレビなどで垣間見るだけであった。欧米に仕事ででかけて、そ
のついでに近くの観光をするのがやっとである。チリも積もればなん
とかでお蔭で欧米文明は結構堪能できた。

現役を終えてから、ぼちぼちとかねての夢を実現する旅に出られるよう
になった。しかし、シルクロード沿線の国は、今では旅をするには厳し
い。多くが乾燥地帯又は砂漠地帯、軟弱化した日本人にはこたえる。
又、多くがイスラム化している。キリスト教とは丸で違う。しかし、
このイスラム化の実態を知ることこそが、ほんとは今必要なことでは
ないかと私は思う。

残された時間は少ない。これは向こうとこちらと両方である。
シルクロード上の国々は、今激動している。行きたくても行けない
事態がいつ来るか分からない。シリアを訪れたのは、2010年の
12月であった。しかし、その3ヶ月後には、「アラブの春」が
始まり、すぐに入国できなくなった。今の厳しさを思うと、全く予想
もしないタッチの差の幸運であった。イラクなど、今までもこれから
も当分行ける見通しがない。

こちらの都合は、体力、気力。それでも40年、私のシルクロード
はほぼ繋がりかけている。後、もう少し....

(おわり)


[No.6812] Re: シルクロードのロマンに惹かれて 投稿者:あや  投稿日:2014/09/26(Fri) 20:55
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グルーさん、

読ませていただき、ため息がでるばかりです。
もう一度勉強しなおさなければと思われえる貴重な文章です。

> シルクロードのロマンに惹かれる日本人は多い。私もその一人である。

このようなことは考えもしませんでした。
飛行機が嫌いで、外国等は夢の世界にしかありません。

> こちらの都合は、体力、気力。それでも40年、私のシルクロード
> はほぼ繋がりかけている。後、もう少し....
>

ため息が読み終わるまで続いて、「ふーん、ううーん」となっています。
後、もう少し、、、、で繋がるとのこと、楽しみにしています。

ありがとうございました。