画像サイズ: 650×488 (58kB) | 宇治の源氏物語ミュージアムに行って、源氏物語の勉強をしてきました。 http://www.uji-genji.jp/
源氏物語の登場人物の名の由来
柏木と落葉の宮 二人の名前は彼らのエピソードから 柏木は望まぬ妻を迎えさせられ、「落葉」を拾わされたと落胆。 落葉の宮は夫(柏木)の死後、守り神が宿るとされる、庭の柏の木を頼みに暮らす。
夕霧 光源氏の息子の夕霧は、病で死ぬ柏木にあとを頼むと言われたので 柏木の未亡人の落葉の宮のもとに通ううち、奥ゆかしい彼女にひかれるようになる。 しかし、良い返事は得られない。 あきらめきれない彼は、霧が立ちこめるからと、一夜の宿を所望する。 けれども、落葉の宮にかたく拒まれ、深い霧につつまれたまま朝を迎える。
雲居雁 夕霧の妻の雲居雁も、悲しい名前だった。 二人は幼なじみで、将来を誓った筒井筒の仲。 (夕霧の母の葵の上と雲居雁の父の頭中将は兄妹なので、二人はいとこ同士) 父は娘を帝の妃にという願いがあるため、夕霧との結婚を許さず 泣く泣く引き離されてしまう。 晴れ間のない雲の中を飛ぶ雁に、みずからの心境を重ね合わせて嘆いたから 彼女の呼び名は雲居雁となった。 のちに父親から許され、はれて夕霧と結ばれ幸せな家庭生活をおくるのに 真面目人間の夕霧が突然、落葉の宮のもとへ通うので夫に愛想をつかし 子どもを連れて実家へ帰る。
夕霧は母親の実家の祖母のもとで育てられるから 亡き母の兄の頭中将の子どもの柏木と雲居雁たちとは 幼なじみのいとこ同士ということになります。
長い間待ってやっと初恋の雲居雁と結婚でき幸せだった夕霧が 従兄の柏木が死ぬとき、妻を頼むと言われたのを真面目に受け止めたのか あるいは柏木が落葉の宮と呼んだ(決して愛していなかった)未亡人の魅力に とらわれたのか、がぜんややこしくなります。
柏木が落葉の宮に熱意をもたなかったのは、彼はその妹の女三宮を妻にしたかったから。 だが女三宮の父親の帝の朱雀院が認めなかったから実現不可能。 可愛そうな息子のため柏木の父親が朱雀院に頼んで姉の落葉の宮を妻とすることができたのだが。
女三宮は、父朱雀院の考えで光源氏の妻となるのだが 二人の年齢の差は大きく、源氏にとって女三宮は幼すぎ。 そして、柏木はなお女三宮をあきらめきれず、とうとう悲劇が始まる。
源氏は、はじめは兄帝朱雀院から頼まれても、はなはだ気乗り薄だった。 もう年も年で「今さら」ということと、六条院には、紫の上と明石の君がいて、ようやく明石の姫君が橋渡しとなり、育ての母と産みの母とのこころが通いあう仲となってうまくいっていたところ。 そこにまた、新しい女の登場で女の世界の葛藤の原因をつくるのはうんざり。 一応固辞するのだが、あの藤壷の妹が女三の宮の母であるということから、恋しい藤壷のおもかげを伝えているかも知れないと、心が動く。
なんと心憎い作者の配慮。源氏が簡単に断れないようにしている。
なんとなくわかっていた登場人物のエピソードが 宇治に行ってよくわかりました。
写真は、京都タワーからの夜景。 本文とは関係ありません。 失礼しました。 (京都タワーでデートしている若い人たちの中にも、現代の夕霧や雲居雁がいるのかもしれない) |