[No.10048]
ひなまつり
投稿者:男爵
投稿日:2017/03/01(Wed) 04:23
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画像サイズ: 750×613 (80kB)毎年いまころになると
全国いたるところに、この歌が流れる。
それは「うれしいひなまつり」です。
ところが
この歌がラジオから流れると
(この歌を書いた)サトウハチローは機嫌が悪くなって
家族に「おい、ラジオをけせ」と言って
ラジオをとめさせたそうです。
この話は、彼の息子の四郎が言うのをラジオで聞いたことがあります。
この歌が生まれた昭和10年、ハチローはくみ子夫人と別居中で、3人の子どもを引き取った直後のことでした。
上の2人が小学校6年生(ユリヤ)と4年生の女の子(鳩子)、ハチローは近くのデパート松坂屋(東京上野)で200円の雛飾りを買いました。当時大卒の初任給が50円くらい。
「実母と別れて暮らす子どもたちに、父親としてせめてもの心づくしだったのでしょう」
私が思うに
当時の自分の状態を思い出して、可愛そうな子どもたちのことを考えると
いたたまれなくなるのでしょう。
サトウハチローの父親は、サトウハチローの母親と離婚して
女優のシナと結婚して、愛子が生まれた。
そんな父親を批判していたサトウハチローと弟たちだったが
自分たちも似たようなことをした。
引き取って娘たちに豪華な雛飾りを買ったとき
くみ子は離婚の決心をしていて
娘たちの世話はるり子がしていた。るり子は四郎を生む。病気がちの四郎のため東大病院に近い所にサトウハチローは住居をかまえた。
だが、るり子も安泰ではない。
そのとき、サトウハチローは蘭子のところにいる方が多かった。
さらに蘭子も実は不安があった。浅草のまゆみがいたのだ。
男と女の関係はむずかしい。
さて「うれしいひなまつり」にもどりますが
ほかにも、歌詞の間違いがあって
いまさら直せなく、ばつの悪い思いがあるようです。
『うれしいひなまつり』
作詞:サトウハチロー 作曲:河村光陽
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひなまつり
お内裏様と おひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした 姉様に
よくにた官女の 白い顔
金のびょうぶに うつる灯を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒 めされたか
あかいお顔の 右大臣
http://duarbo.air-nifty.com/songs/2007/08/post_4118.html
赤いお顔は左大臣なのです。
左大臣は右大臣より位が上、ふつう左大臣のほうが右大臣より年長。
年寄りだから赤い顔?
左大臣が向かって右にあっても、お雛様から見れば左にいるから左大臣。
この歌を聞いて、ほとんどの人が
「お内裏様」を雄雛、「おひな様」を女雛と解釈していますが、
「お内裏様」とは天皇と皇后の姿をかたどった一対の人形を指し、
「おひな様」はは雛人形(雛飾り)の愛称で人形全体を表すのです。
この歌のお陰で、国民に誤解が広まってしまった。
異母妹の佐藤愛子は長編小説「血脈」で、ハチローの良いところ、悪いところをあますことなく書いています。
この歌のできたいきさつも書いています。
二人の血には、父親佐藤紅緑の血が流れている。