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[No.9909] このところ急に、お寒くなりやしたなあ 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2016/11/27(Sun) 18:32
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 やはりこう寒くなって来ると、上戸でなくてもついつい、お酒の方へ眼が行ってしまいますな。ふつう、さけは酒と書き、だれもそれをいぶかる人はいないと思うが、山田正一著「さけ風土記」によれば、コレクターの伊藤保平氏の本に、酒と云う字が驚くなかれ、801字も載っているという。

 なにしろ800を超える数なので、酒器に似たのもあれば,現在の酒と云う字に似たものもあるようだ。しかし、その数の余りの多さにこれを疑い、昔からウソ八百と云う言葉があるなどと云って批判する向きもあるかもしれないが、神明に誓ってこれは真実である。

 西洋にも、酒の中に真実がある、ということばがある。山田氏の本は、もとよりそのことだけを紹介する本ではないので、酒の字のすべてが、載っているわけではない。

 それより、その伊藤さんの著書に載っている、有名人の酒と云う字のコレクションの方がむしろ、ひとによっては、面白いかも知れぬ。なかでも、本阿弥光悦の字は現代人と、いささかも変わることなく、聖徳太子、菅原道真のものは、どちらかと云えば、チョット変わっている。一番変わっていると云えば、太閤秀吉のものだろう。

 ほかにも、空海、芭蕉、木戸孝允、正岡子規、伊藤博文などのものが収められているという。山田氏の本には、5人ほどしか紹介されておらず、ちょっと物足りない。なんとかして、ほかの人のも見たいものだ。しかしその伊藤氏の「酒字集古」という本は、残念ながら非売品だというので、おいそれとは見られないらしい。

 それでも、つてを頼って、なんとかこの書を手に入れ、ひとり茶の間にこもって、ゆっくりそれらを鑑賞しつつ、ちびりちびりとやれば、お酒の方も大いに進むに違いない。 ウィ―ッ。                           終わり