私が読んだ本 
(期間:2011.11.1 - 2011.12.31)

 子どもの時から今に至るまで、たくさんの本を読んできました。
 そこで、みなさんが読まれた本を紹介してください。
 元気の出る本でもいいし、楽しい本でもいいし
 役に立つ本でもいいです。
 電子図書のことでもいいです。


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  • [No.432] Re: 人間、とりあえず主義 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 18:09
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    > > なだいなだ:人間、とりあえず主義

    同時多発テロ事件の直後、テレビは衝撃的なシーンを繰り返し繰り返し見せる。
    こうして何百人の生命が失われる瞬間の映像を、一日の間に何十ぺんと見せつけられると、精神は動揺してしまう。
    むしろ動揺しない人間の方が異常であろう。
    ただ自分が動揺していることは自覚しているべきだろう。

    落ち着くためのノウハウを紹介しよう。
    世界の中での自分の位置を見つめる努力をすることだ。

    著者の患者は、世界貿易センタービルの崩落の映像を見たとき、一瞬こころがアメリカに行ってしまっていた。
    テレビカメラの置かれた場所に行ってしまっていたのだ。
    そして望遠レンズの視野になっていたのだ。
    自分は日本にいたのだっけ、と思い出せば、少しは視野が広がる。

    報復だと言っているアメリカ人から、私は日本人だったっけと、日本人に戻れば、距離をあけることができる。
    そして、アメリカ人とテロリストを二つとも視野に置くことができる。
    当然、テロリストがそこまで深くアメリカを恨むようになったのはなぜか、と考えることもできる。
    その逆に、共同の敵だなといい、アメリカ人と距離をつめてしまうと、冷静にものが見えなくなる。


    [No.431] Re: 人間、とりあえず主義 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 18:06
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    > なだいなだ:人間、とりあえず主義

    初老期のうつ病の患者たちと話をしていると、気づくことがある。
    それは、かれらが、自分たちの年齢が中途半端だと考えていることだ。
    「これまで死ぬまでに仕上げたいと思っていた仕事がある。だが、この年齢から始めたら、きっと中途半端なところで死ぬだろう。完成させることはむずかしい」

    そう考え、中途半端で屋根のない建物みたいなものになってしまうのなら、何の価値もない、と断念してしまう。
    そして、人によっては、生きていてもすることがないと、生きることさえ無意味に思うようになる。

    この人たちが元気な顔を見せるのは、人間いつ死ぬかは分からない、死ぬまではとりあえず生きていこう、生きていられれば完成できる、それでいいではないかと考え、とりあえず大仕事にも着手するようになったときだ。

    「とりあえず今日を生きなければ、明日は来ない。ねえ先生」
    初老期うつ病の患者が、そういうようになったら、この人はなんとか生きていくだろうと判断した。
    なんのことはない、かれがとりあえず主義者になったということである。


    [No.430] 人間、とりあえず主義 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 18:04
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    なだいなだ:人間、とりあえず主義

    なだいなだは、北杜夫の同僚であり作家仲間でもある。

    「ちくま」の巻頭の連載エッセイをまとめたもの。
    連載を始めるとき、タイトルを聞かれて、「とりあえず、なにか仮の題でも」と編集者から言われたときひらめいた。
    「なに、とりあえず? それだ! それをもらおう」

    こうして「人間、とりあえず主義」というタイトルが生まれた。
    これは内容をよく表しているタイトルになった。

    著者は生まれてから、とりあえず生きてきた。いつでもとりあえずで、本格的に生きてきたことがないのが、最大の欠点になろうか。人生仮採用のままで、本採用にならずに退職するようなものだと著者は書いている。

    実際に精神科医としても、とりあえず主義でやってきた。

    「まだここが悪い、まだ病気が完全に治っていない、すっかり治ってから人生を再開したい」という神経症の患者に
    「これまで七年もかかってまだ治らない病気が、すっかり治るのはいつか、きみに分かるかい。だれにも分からないよ。だが、明日や明後日でないことははっきりしているな。それまで生きるのを中止しているか、それとも病気を背負って、七分の力しか出せなくとも、とりあえず人生を再開するか、きみはどっちをとる?」と質問し、とりあえず生きていくことを勧めてきた。

    これはまさしくとりあえず主義であろう。

    ティル・オイレンシュピーゲルが、城門の前に立っていて、通りかかった旅人に「次の町まで何時間かかる」と聞かれて、彼はただ「歩け」と答えるだけだった。
    とりあえず歩いてもらわなければ、「そのあんなの足でなら、隣の町に着くころには夜になるな」と答えるわけにはいかない、というのがティルの言い分である。


    [No.429] 東海道たべもの五十三次 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 17:56
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    鈴木晋一:東海道たべもの五十三次

    平凡社の本  1991年

    「小田原名産は 外郎と塩辛」
     外郎、梅漬、イカの塩辛、カツオのたたき、提灯
     「ヲヤ餅かとおもったら くすりみせだな」
     「膝栗毛」の喜多八が言っているように菓子ではなく薬だった。
     外郎は俗称で、正しくは透頂香(とうちんこう)といった。
     中国元が滅びた時、礼部員外郎の地位にあった陳氏が博多に亡命してきた。
     薬方に詳しかったので足利義満が上洛を求め、陳氏の子の代になり京都へ移住した。

     以後代々医を業として外郎家と呼ばれ、透頂香などの薬をつくり室町幕府に献上するようになった。
     陳家が北条氏綱に献上してから、透頂香は小田原名物となった。

    「小吉田の鮨と安倍川餅」
     江尻から駿府までの道中のまんなかあたりに、小吉田の立場があった。
     JR草薙駅のすこし西にあたる。
     「小吉田の立場にいたれば酒家あり。小さき桶に鮨をつけてひさぐ。長門鮨という。味よろし」
     太田南畝のほめた鮨があった。
     駿府を出てから安倍川がある。
     この川の東川端では安倍川餅を名物にしていた。
     現在の名物安倍川餅は、黄粉をまぶしたのと小豆のこし餡をつけたのとの二種類を盛り合わせにしているが
    一般には餅に黄粉をつけたものを安倍川餅、略して安倍川と呼んでいる。

    「日阪の蕨餅」
     この蕨餅は古くから有名で、連歌師宗牧は天文13(1570)年に食べ、その著「東国紀行」に、先年来た時も賞味したことを思い出して書いている。
     林羅山は、蕨餅は実は葛の粉をまぜて蒸し餅にし、黄粉に塩を加えたものをかけて旅人に食べさせている。みんなそれに気がつかないと書いている。
     蕨の根からとるより葛の根からとったほうが多くの粉がとれるから?
     葛はいまは片栗粉で代用している。片栗粉もカタクリの根からとるのが本来なのだが、これまたジャガイモ澱粉からつくられているのが現代の食材なのだ。

    「桑名の焼蛤」
     「その手はくわなの焼蛤」というくらい知名度は抜群だった。
     味も多くの人のほめられている。
     蛤を約のに松ぽっくりを使うと「東海道名所図絵」に書かれてあるが、「本朝食鑑」にもそれがいちばんうまいのだと書かれている。


    [No.428] 朝鮮の土となった日本人 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 17:50
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    高崎宗司:朝鮮の土となった日本人

    浅川巧は朝鮮の林業試験場に勤務し林業の分野で大きな業績を残した他、朝鮮の民芸を愛して、朝鮮人の側に立って不運な朝鮮人を助けたので、今も韓国の人々から尊敬されている。

    彼の墓には「韓国の山と民芸を愛し、韓国人の心の中に生きた日本人、ここ韓国の土となる」と刻まれた記念碑が建てられている。
    浅川巧が朝鮮の民芸のすばらしさを知ったのは兄伯教(のりたか)の影響である。伯教は尋常小学校の図工の先生で古賀政男も教え子である。

    浅川巧との出会いで柳宗悦は朝鮮の民芸品に目を開かせられた。
    柳宗悦は浅川巧の誠実な人間性に心を打たれ、巧が死ぬまで深い交流を交わした。それゆえ柳宗悦は浅川伯教・巧兄弟と力をあわせて朝鮮の民族文化を理解しできるだけ守ろうとした。

    柳が「朝鮮人を想う」を書いて光化門を守ったとき、浅川兄弟という共通の価値をもつ理解者支援者がいたことが大きい。

    浅川巧の日記は少々の美術品とともに、兄伯教からソウル在住の金成鎮に渡された。
    金はこの日記を朝鮮戦争時も体から離さず大事にもって釜山に避難した。
    こうして守られた浅川巧の日記は、「浅川巧全集」出版の際に収録されることになった。
    そして、この日記は浅川巧の故郷の高根町に寄贈された。

    この日記には、巧の率直な意見が述べられており、おそらく兄は朝鮮半島から持ち出して日本に持ち帰ってもその後の困難なことを考えて、ソウル在住の金成鎮に託したものと思われる。

    関東大震災時の朝鮮人大虐殺を批判したり、朝鮮における日本の威圧的な対応、朝鮮総督府を無理にその位置に割り込んだ建てたり、朝鮮神社を造り問題をあとに残したり等を書いていた。

     巧は朝鮮の山林砂防には、むやみに杭を打ち込んだり石垣を積んだり芝を張りつける建設工事ではなく、山と植物の共生を考慮し植物の生存により地盤を安泰にして土壌を肥やすべきだと主張し林業試験場長の指示に従わず自分の考えを実施し、のちに場長を納得させる。

    浅川巧は朝鮮の服を着て、言葉も彼らの言葉を話した。女の乞食には金を与え、何人もの貧しい家庭の子弟たちには奨学金を与えて学校を卒業させた。

    林業試験場の給料は技手なので高いものではなかったが、給料の六割の外地手当があったから、朝鮮の人よりは裕福だったことで贖罪の気持ちがあったのではないかと著者は推定している。

    「朝鮮の膳」で固有の民族文化を大切にせよと訴えた。


    [No.427] Re: 京都恋供養殺人事件 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 15:58
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    季寿(きよし) さん

    > 山村美紗の「探偵キャサリンのシリーズ」物として、テレビでよく観ます

    山村美紗は女性らしい
    細やかな心理描写が得意です。
    犯罪のトリックも毎回変えるという工夫をしています。

    もっと生きて書き続けて欲しかった。


    [No.426] Re: 「おれたちの青空」 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 15:57
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    季寿(きよし) さん

    > 児童養護施設で暮らす中学生たちも受験期を控えて、悩みや迷いを乗り越えて
    > 新たな人生に踏み出していく、感動の小説です

    こちらにも養護施設はあります。
    人材は大切にしたいものです。

    養護施設で働いている人たちも知っています。


    [No.425] Re: 関口・初等ドイツ語講座 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 15:54
    [関連記事

    唐辛子 紋次郎さん

    >  大むかし、関口存男(つぎお)という方がいて、みなその参考書を使ったような気がします。

    > この人はドイツ語の先生と云うより、言語学者だったので、他の言語にもくわしく、一時お茶の水のアテネ・フランセでフランス語を教えていたいたと聞くと、大抵の人はビックリする。

    >  上記の本、非常にいい本だと思うのだが、寄る年波で内容をマッタク覚えていない。(-_-;)

    この本は持っています。
    とりあげるかどうか迷っていたのですが
    唐辛子 紋次郎さんが取り上げてくださいました。

    良い本です。


    [No.424] Re: 内田康夫:長崎殺人事件 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/04(Sun) 15:51
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    季寿(きよし) さん

    > > 浅見光彦の探偵シリーズ

    > もっぱらテレビで観ています
    > 浅見光彦は、辰巳琢郎、最近では沢村一樹が演じてるものが多いですね

    辰巳琢郎は適役ですね。
    このシリーズはかなり読みました。


    [No.423] Re: 京都恋供養殺人事件 投稿者:季寿(きよし)  投稿日:2011/12/04(Sun) 15:17
    [関連記事URL:http://blogs.yahoo.co.jp/tmgw19

    男爵さん

    山村美紗の「探偵キャサリンのシリーズ」物として、テレビでよく観ます

    キャサリン役も多くの女優が演じていますが、
    「名探偵キャサリンのシリーズ」でかたせ梨乃が演じているのがよく放送されてます

    サスペンスものは面白いですね

     季寿(きよし)


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