画像サイズ: 311×510 (64kB) | 一時大流行りのトンデモ本。飛行機が消える、船が消える、で大分稼いだらしい。
晴天の日に、何の痕跡も残さず、飛行機や船が跡形もなく、この地上と言うか、海上から空中から消滅してしまう話なぞ、奇怪事件の特別お好きなメリケンさんにはお誂え向きといえる。
日本の出版界も、商売のタネになるこうしたお話を指をくわえてみているはずがない。
そこで、空前の大ブームとなり、バーミュダ大消滅のミニ版である日本製のドラゴン・トライアングルまでが、後を追うようにして産声をあげたような次第。小笠原、グアム、野島崎を結んだ海域がel mar del Diablo,悪魔の海だとか、おお怖っ。ブルルル。☆
いずれも誇張や歪曲。また航空機の場合は悪天候に重ねて訓練不足などが事故につながったケースもあった。しかも現場で怪光を見たとか云うのは正式記録には出てこないという。★
やれ、ブラックホールだ、宇宙人の仕業だ、またはハイドレートだ、マイクロバーストだと、じつにお賑やかだったこと。
同書にはコロンブスが1492年10月11日の夕暮にこの海域で怪光を見たのが最初だというので、さっそく岩波文庫の「コロンブス航海誌」の相当の日付の個所をみたが、あっしが耄碌しているせいか、そうした個所はついに発見できなかった。
☆この本は世界各国で翻訳が出ているはずだが、西班牙版は単行本なので(日本のは新書版)写真もたくさん入っている。日本版にもある来福丸事件を同書中でみつけた。これは同船が1924年の冬、バハマ、キューバ間でSOSを発信したまま消息を絶った「謎の」事件である。
13: Raifuku Maru,un carguero japones;envio un mensaje radial pidiendo ayuda entre las Bahamas y Cuba,y luego desaparecio.(El Triangolo de las Bermudas) |