[No.547]
後世にもてはやされる啄木の歌
投稿者:男爵
投稿日:2011/12/13(Tue) 19:05
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啄木の「悲しき玩具」より
呼吸すれば、/胸の中にて鳴る音あり。/ 凩よりもさびしきその音!
眼閉づれど、/心にうかぶ何もなし。/ さびしくもまた、眼をあけるかな
あれっ
谷村新司の「昴」によく似ている。
目を閉じて何も見えず
哀しくて目を開ければ
荒れ野に向かう道より
他に見るものはなし
......
呼吸をすれば胸の中
木枯らしは吠き続ける
されど我が胸は熱く
夢を追い続けるなり
.....
似ているはず、谷村本人が啄木が好きだから
啄木と一体化したいと述べている。
また、谷村の「群青」にも啄木の句の一部が見られる。
君を背おい 歩いた日の
.....
泣けと如く群青(ぐんじょう)の海に降る雪
砂に腹這いて 海の声を聞く
.....
松本健一:石川啄木 望郷伝説
これを読むと
他にも萩原朔太郎のことが指摘されていて
思わずドキッとした。
あたらしき背広など着て
旅をせむ
しかく今年も思ひ過ぎたる
これを参考にして萩原朔太郎は
「ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。」
をつくったのではないかと指摘する。
もうひとつ紹介しましょう。
石川啄木の「一握の砂」より
「いたく錆しピストル出でぬ砂山の砂を指もて掘りてありし」
石原裕次郎が歌った「錆びたナイフ」はこの啄木の歌からとったと
作詞者が何かで書いていたのを思い出します。
砂山の砂を指で掘ってたら
まっかに錆びたジャックナイフが出て来たよ・・・