[No.100]
Re: 「ノストラダムス大予言の秘密」
投稿者:
投稿日:2011/11/14(Mon) 20:40
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あっしも確かにそういう書き方をしましたが、それはマッタク五島、高木氏の前掲書についてご存知のない向きがあるのを考慮して触れたのですが、また一方見方を変えれば、
日本でのいわゆるノストラパニックを論じる前に、まず紋題のノストラダムスとは誰かと云うところに戻って論じる必要があるようです。
たまたま『滅亡の年』、1999年の2月にある雑誌に発表された予言についての文☆を読みました。何よりもかれノストラは、預言者である前に医師であるということでしょう。
筆者は、ノストラは町の怪しげな占い師のようなものでなく、高い知性の持ち主であり、もしかれが今の時代に生きていたとしたら、恐ろしい呪文を唱えたりはせず、ひたすらコンピュータに向かって、冷静な分析を行うだろうと予測しています。
また当時の状況についての予備知識も必要だといいます。つまり、かれは予言者でもなく、僧でもなく、文学者でもなく、科学者でもなく、そのすべてであったと云っていい、と。
ただかれにも、ケッコウ自意識のつよい、ある意味では自己宣伝の好きな一面がなかったとはいえません。
それから、あの預言書の前身ともいうべき『アルマナック』の存在も見逃せないといいます。アルマナックとは小型の本で、日本の暦に似ています。来年の天気の予想や、運勢などを載せたようです。
かれも最初は常識的な記述でそれをやってみたのですが、これがあまり一般に受けない。研究の末、俗な言葉で云えば、これは怖がらせるに限ると確信したらしいのです。本物らしく見せることが第一で、そのためには終末輪まで動員した次第。それがまた、功を奏して空前のヒットとなった。
またノストラはなかなか頭脳的で、難解な言葉を多用したのもその延長線上にあるといいます。東洋の小国にまでパニック現象を引き起こしたあの予言の当たりはずれについても、一番近いものでも1580年、17世紀、18世紀と気の遠くなるような未来にその日を設定しています。ところが、当のご本人は追及される前の、1566年には別世界へ引っ越ししてもうこの世にいない。楽勝である。(*^_^*)
また、当時の人たちも『予言』というものを深刻に考えることなく、ほとんどゲーム感覚だったとの指摘もあります。
☆竹下節子「ノストラダムスー『預言書』の文体とその意味」