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[No.103] 砂の器 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/15(Tue) 11:07
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映画を見てから原作を読んだ。

石川県生まれの本浦千代吉は業な病気にかかり
4歳の秀夫を連れて巡礼の旅に出る。
それから3年後に
やっと島根県の亀嵩(かめだけ)に着いたとき
親切な三木謙一巡査に助けられる。

本浦千代吉は岡山県のライ療養所に入園でき
秀夫は三木巡査に引き取られるが、脱走してしまう。

今西刑事は足で調べ続ける。
あるときは秋田県に飛ぶ。 島根県にも行く。
そして
北陸線大聖寺で降り小さな電車に乗り換える。
終点の山中温泉からさらにタクシーで山奥に入る今西栄太郎刑事(巡査部長)。
秀夫の母親の姉から当時の話を聞くのである。あれから秀夫はここに一度も姿を見せなかった。

7歳のときに別れた少年と30歳の新進気鋭の音楽家
記憶のよい今西刑事は同一人物ではないかと推定する。
そして悲劇となる。

この小説は、自分を完全に共同体社会から切り離そうとする人間が
彼のそんな気持ちも知らずに追いかけてきた共同体社会の代表者を惨殺するところからはじまる。
最初に殺された人物というのが、古き良き共同社会のシンボルであるような
かつての村の巡査であったことは象徴的である。

主人公は幼いときからハンセン病の乞食の子として諸国を放浪して
すさまじい非人間的な扱いを受け続けてきた。
世間はすべて敵だと考えたとしても当然である。
彼は三木巡査に救われたが、そこで成人する限り、ハンセン病の父の子
という差別が一生ついてまわることは確実である。
彼がそこから逃走したのは、彼の立場としてはそれなりに正当であったといえる。

善意すぎた三木巡査は彼に不注意に近づきすぎたから不幸になった。
   (佐藤忠男の解説)

さて
この小説は内容がてんこもり。
それをそのまま映画化するのは大変である。
脚本を書いたのは橋本忍、あの山田洋二も手伝ったという。

橋本忍は
業病の父と子が巡礼になって裏日本をさまよう姿を
日本の四季の中におさめるようクライマックスにもっていく
それを丹波哲郎扮する刑事に語らせたのが
すばらしいシナリオになっている。

だから、小説から削除された話がいっぱいある。
それでも、あの映画は長い時間の映画であった。


[No.104] Re: 砂の器 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/15(Tue) 11:24
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> 映画を見てから原作を読んだ。

> この小説は内容がてんこもり。
> それをそのまま映画化するのは大変である。
> 脚本を書いたのは橋本忍、あの山田洋二も手伝ったという。

はたして
やはり書き間違いがあった。
脚本は橋本忍と山田洋次でした。

山田洋次監督の名前を確認しなかった。
いつもはウィンドウを開いて
この掲示板を見ながら
もうひとつの画面でキーワードを調べて確認しながら
書き上げるのだが
いま使っているシステムは、ふたつの画面を開くのにテクニックを要するため。

> 橋本忍は
> 業病の父と子が巡礼になって裏日本をさまよう姿を
> 日本の四季の中におさめるようクライマックスにもっていく
> それを丹波哲郎扮する刑事に語らせたのが
> すばらしいシナリオになっている。

丹波哲郎 (今西栄太郎)
加藤剛 (和賀英良)
加藤嘉 (本浦千代吉)
島田陽子 (高木理恵子)
山口果林 (田所佐知子)
緒形拳 (三木謙一)


[No.123] Re: 砂の器 投稿者:季寿(きよし)  投稿日:2011/11/17(Thu) 22:06
[関連記事URL:http://blogs.yahoo.co.jp/tmgw19

男爵さん

水上 勉の小説は、今までに多く読みました

「砂の器」も、もちろん読みました

生まれが当市(小浜市)の隣町(おおい町)ということもあり、興味がありました
おおい町には、水上勉が1985年に私財を投じて建設された「若州一滴文庫」があり
図書館を中心とした施設です

今、水上勉著の「故郷」を読んでいますが、1997年発行の古い本ですが、原発のこと等も書かれており、ちょっと読んでみたくなりました

 季寿(きよし)


[No.126] Re: 砂の器 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/18(Fri) 07:11
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季寿(きよし)さん   こんにちは

水上 勉(本名みずかみ つとむ、 みなかみ つとむでペンネームしたと読者から思われていた?)

福井県の大工の家に生まれ、5人兄弟の次男として育った。9歳の時、京都の臨済宗寺院相国寺塔頭、瑞春院に小僧として修行に出される。
10代で禅寺を出たのち様々な職業を遍歴しながら小説を書くが、なかなか認められず、また経営していた会社の倒産、数回にわたる結婚と離婚、最初の結婚でできた長男(窪島誠一郎)との別離など、家庭的にも恵まれないことが多かった。

旧制花園中学校(現・花園中学校・高等学校)卒業。立命館大学文学部国文科(夜間部)中退。

水俣病を題材にした『海の牙』を発表し、第14回日本探偵作家クラブ賞を受賞。
『雁の寺』で第45回直木賞を受賞。
映画化された『飢餓海峡』などがありますね。

『はなれ瞽女おりん』、『五番町夕霧楼』、『櫻守』....

1989年(平成元年)、自ら団長として訪問先の北京において天安門事件を目の当たりにし、帰国直後に心筋梗塞で倒れる。

長男の
窪島 誠一郎は
長野県上田市に信濃デッサン館を設立。
それから同地に無言館を設立したのです。