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[No.447] Re: 五木寛之:人間の運命 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/05(Mon) 20:17
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>  親鸞聖人が「宿業」ということを言う。

ある過酷な状況下で、心優しく、人間的な人は、なかなか生きのびることはできない。
そんな意見に対して、当然、反論もあるだろう。
アウシュヴィッツの「夜と霧」のなかを生きのびたフランクル自身が、その証明でもある。

しかし、著者の知る限りでは、終戦後の時期みずからを犠牲にして他人を生かそうとする人間は、犠牲になることが多かった。、

たとえば国境線を越えての脱出行がある。トラックの荷台には、脱出者がぎゅうぎゅうづめになっていて、あと一人しかのせる余裕がない。
そんな場面で、二人の脱出者がつみ残されており、どちらか一人しかのせられないとなったらどうするか。
礼儀正しく、「あなたがおのりなさい」とか、「あなたがどうぞ、私が残ります」と
身をひく人は、まず生きのびることはできなかったった。
相手をつきとばしてでも、トラックにとびのった者が、帰国できたのである。

そんな場面が数限りあった。そして結局、そこを生きのびて引き揚げ、帰国できたのは、いわば悪人だけだったのではあるまいか。

みなが助け合って幸運にも脱出できた、という話を、五木寛之は夢のようなおとぎばなしとして聞く。

極限状態のなかで、生きのびた者はみな悪人である、と五木寛之は思う。


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