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[No.479] 森村誠一:高層の死角 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/07(Wed) 16:29
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森村誠一:高層の死角

ホテル殺人事件。
作者はホテルで働いた経験から、臨場感にあふれるホテル殺人事件を
書くのに成功した。

ホテルの社長が自分のホテル内で殺された。それも密室殺人事件。
そのトリックは実は合理的であって、作者がホテルマン時代に
考えついたアイデアなのであったろうか。

容疑者の一人として、殺された社長の秘書が浮かび上がる。
しかし、彼女のアイバイは、なんと主人公の刑事が証明することになる。

それから話は進んで、やがてヒロインのこの秘書が殺されて、容疑者は絞られた。
しかし、容疑者にはアリバイがある。
そこで、刑事は恋人のかたきをとるため、にっくき犯人のアリバイをやぶろうと努力する。

これは松本清張の「点と線」を意識して、
そのトリックを更に発展させたつもりだったのであろう。

しかし、やや技巧に走るアリバイ作りであった。
こうした犯罪方法は、現実的だという印象はなく、きわめて技巧的な印象を受ける。

全体的に、推理小説のための推理小説という印象はぬぐいされない。
 つまり「わざとらしさ」が残る。