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[No.744] ご詠歌から歌謡曲まで 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/24(Sat) 08:14
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この著者はチベットやインドや中国を取材調査のため旅行して
おもしろいことを書いている。

BGMとして
平地(四川省成都)では美空ひばり
4千メートルの高地(ラサ)では山口百恵
8千メートルの山頂では都はるみ
でその理由
 美空ひばり 日本人の心を歌う、そしてアジアでは普遍的
 山口百恵 高度4千メートルではも酸素が希薄で空気はカラカラに乾いている。
   ここでは「悲しい酒」はあわない。「プレイバック」の天空にぬけていく軽やかなリズムが喜ばれる。
 登頂の最後のアタックのときには、都はるみの力強いうなり節が元気をつけてくれる。
    8千メートル級の山では、百恵の「コスモス」でも、ひばりの「川の流れのように」でもやはりダメ。

日本の仏教音楽は「声明(しょうみょう)」であり、これはインドにはない。
声明には大きく分けて、朗誦的なもの(語り物的声明)と詠唱的なもの(歌い物的声明)の2つがある。
あるいは、叙唱的なものと歌謡的なもの。

この声明における「語り」的な要素と「歌い」的な要素が、それ以後の日本の芸能や音楽に、多くの影響を与えてきた。
声明から庶民信仰のクライマックス的なご詠歌まで
その伝統的音楽の流れの中に、浄瑠璃や義太夫、長唄や新内、浪曲などが生まれ
声明からご詠歌にいたるペシミスティックな情感の調べが、現代の演歌にまで及んでいる。

仏教徒の俗曲としてのご詠歌は、本来、死者を追悼する歌であるから、
愁嘆的情緒をもち、また、仏教そのものの諦観的な世界観にひそむ
ペシミスティックな情感を背景にもっていた。

このご詠歌の
もつ詠嘆調は、濃淡の差こそあれ、日本の伝統歌曲のほとんどすべてに
感性的影響をあたえてきたものであり、またそれが、今日の日本の
民衆歌曲の特徴のひとつになっているとさえ思う。
ときには
生命であるかのようにいわれているとも思う。
(園部三郎、日本の流行歌)


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